どこか懐かしい日本のカレー。和食の匠 野粼洋光さんの「根菜カレー」【今日のおうちカレー #7月21日】

これぞ日本の原風景。懐かしい根菜カレー

野粼洋光/分とく山 総料理長
東京グランドホテル、八芳園を経て「とく山」の料理長を務める。1989年に東京・麻布に会席料理「分とく山」を開店し、2021年現在、グループ店を含む5店舗を総料理長として統括。各種メディアで理論的わかりやすい和食を提唱。 著書に『和食のきほん、完全レシピ』(世界文化社)ほか多数。

こんにちは。会席料理「分とく山」総料理長の野粼洋光です。

世界にさまざまなカレーがあるなかで、日本には日本のカレーがあります。私が子供のころに食べていたカレーは、小麦粉を使ったものでした。

日本料理の肉じゃがや筑前煮などが原型となっている、とろっとしたカレーです。日本らしさが詰まっていて、なんだか懐かしい気持ちになるんです。

今回はそんな、“日本の原風景”とも言えるカレーの作り方をお届けします。

〈根菜カレー〉
調理時間:50分

材料(4人分)

・豚バラ肉……250g
・玉ねぎ……1個
・じゃがいも……1個
・にんじん……1本
・ごぼう……1本
・こんにゃく……1枚
・にんにく……2片
・しょうが……30g
・カレー粉……大さじ2杯
・小麦粉……120g
a.しょうゆ……130c
a.みりん……15cc
a.トマトジュース(無塩)……15cc
a.にんじん(すりおろし)……20g
・水……1L
・トマトジュース(無塩)……200cc
・大葉……適量(お好みで)
・サラダ油……大さじ4杯

コツ・ポイント

弱火でじっくりと火を通す

みじん切りにしたにんにく、しょうが、玉ねぎは、一気に熱するのではなく弱火でじっくりと火を通すことが大切です。

また、具材となる野菜とこんにゃくに8割ほど火が通ったところで、ルーを加えることもポイント。そこから弱火でじっくり火を入れることで、具材がバラバラにならずに全体の味がまとまります。

作り方

1. 豚バラ肉を湯通しする

豚バラ肉はひと口大に切ります。熱湯を回しかけてから冷水に取り、水気を拭きます。

2. 野菜とこんにゃくを切る

じゃがいも、にんじん、ごぼう、こんにゃくをひと口大に切ります。

3. にんにく、しょうが、玉ねぎを炒める

にんにく、しょうが、玉ねぎをみじん切りにします。フライパンにサラダ油(大さじ2杯)を熱し、にんにくとしょうががキツネ色になるまで炒めたら、玉ねぎを加えてねっとりするまで弱火で炒めます。

4. カレー粉と小麦粉を合わせてルーを作る

3にカレー粉と小麦粉を加えて混ぜ、全体がなじんできたら火からおろします。あら熱がとれたら(a)を合わせてフードプロセッサーにかけ、ルーを作ります。

5. 野菜と肉を入れて煮る

フライパンに残りのサラダ油を熱して2の野菜とこんにゃくを炒め、表面に火が通ったら水とトマトジュースを加えます。

八分ほど火が通ったら4のルーを加えて、弱火でじっくり20分ほど煮ます。さらに、1の肉を入れて味をなじませます。

6. 盛り付ける

器にご飯を盛り、カレーをかけます。お好みで、手でちぎった大葉をのせたら完成です。

よく噛んで食べる、家庭の味

根菜類が残ってしまったときや、筑前煮やけんちん汁などが余ってしまったときなど、このレシピをアレンジしてカレーを作るのも良いと思います。

飲むようなカレーではなく、よく噛んで食べる和のカレー。健康につながるカレーとして、家族みんなで楽しく召し上がってください。

文/野粼洋光
企画・編集・撮影/macaroni 編集部