選手が失踪したウガンダ選手団

 政府が「安心・安全」の五輪の拠り所としている「バブル方式」。来日した選手やスタッフを泡のように包み込み、外部との接触を断つという発想だが、早くも綻びが見え始めている。

 非常事態宣言発令直後の7月13日には、豊洲に選手村がオープン。続々と海外からプレスや選手団などが「入村」したが、同日には海外の五輪関係者4名が都内でコカインを使用したとして逮捕。いきなりの出来事に批判の声が集まった。

 そんな矢先、来日中のウガンダ人選手が失踪したことに、注目が集まっている。東京五輪の事前合宿のため、大阪・泉佐野市のホテルに滞在していた20歳の重量挙げの選手が、17日に消息を絶ったのだ。市の職員と警察が行方を探しているが、宿舎に「生活が厳しい国には戻りたくない、日本で仕事がしたい」という趣旨の書き置きが見つかった。

 就労ビザもなく、感染症対策の観点からしても危険をともなう逃避行だが、意外にもネット上には応援の声が散見される。

《頑張って仕事見つけてください!応援してます。すぐに口座は作れないだろうから、給与の振り込みとかどうするんだろう…》

ウガンダ人逃げ切って欲しい》

《なんでこんなにもウガンダ人に心惹かれるのか ぼくもウガンダ人のように逃げてしまいたいからなのか》

 無断失踪はもちろん許されるものではないが、後手後手の感染対策に辟易し、我慢の限界に達している国民の目からすれば、「逃亡できる」ことがうらやましく見えるのかもしれない。