パブへの愛を語る常連客のピートさん(画像は『The Pub Man 2021年5月25日付TikTok「#foryoupage #fyp #fy」』のスクリーンショット)

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イギリスでパブを経営する男性が、毎日昼食にやってくる90歳の常連客ピートさん(Pete)を紹介する動画をTikTokに投稿したところ、親切な人々から「ぜひ彼の昼食代を支払わせてほしい」という申し出が殺到した。ピートさんに寄せられた昼食代は数日間で10万8000円(700ポンド)を超え、ピートさんは現在「他の人のために使ってほしい」とその後の申し出を辞退しているという。心温まる出来事を『The Sun』『Metro』などが伝えた。

英エセックスのチェルムスフォードに暮らすピートさん(90)は、年金生活を送る退役軍人だ。11年前に妻に先立たれたピートさんは街のパブ「Moulsham Inn」で毎日、お気に入りのハンターズチキンと1杯の赤ワインを注文する。

同じ街で働く義理の息子が同席することもあったが、ピートさんは基本的に1人で昼食をとっていた。3年前にこのパブのマネージャーとなったティム・メファムさん(Tim Mepham、39)は、ピートさんが1人で来店した際には食事が来るまで同席し、会話するようにしていた。

ティムさんはピートさんについて「誰もが愛する完璧なおじいちゃんなんだ」と評し、その人柄をこのように明かしている。

「私が出会ってきた中で、ピートさんこそが最も礼儀正しい紳士的な人物だよ。」

「彼はあらゆる年齢層の人々に向けた話題を持っているんだ。」

「たとえば子供たちには、彼らが大好きなアニメのキャラクターのものまねをする。ピートさんはたった1つの話で人を笑わせたり、泣かせたりすることができるんだ。」

ある日のこと、いつものようにランチを待つピートさんの席に着いたティムさんは、ピートさんにこう問いかけた。

「すごく簡単な質問なんだけど、いいかな? なぜ、あなたはパブに来たんだい?」

するとピートさんは笑顔で、このパブを愛する理由について以下のように語り始めた。

「料理がおいしいからさ! 私はこのパブを愛しているんだ。この景観も最高だ。」

「それに、あなたを見てごらんなさい。店のマネージャーで責任者だ。そんなあなたが僕の向かいに座ってくれている。こんなにも嬉しいことってないよ。」

ピートさんからの愛溢れる返答にティムさんが「ここに毎日来てくれているよね?」と言えば、ピートさんは「ここに毎日通っているね」「ここにいないときは、棺桶の中にいることだろうね、それが真実さ」と言い切ってみせた。

ティムさんが5月25日、自身のTikTokアカウント「the_pub_man」にこのやり取りを収めた動画を投稿すると瞬く間に大反響を呼び、人々から「ピートさんの昼食代を支払わせてくれないか」との申し出が殺到した。

そんなピートさんへの昼食代は数日間で10万8000円(700ポンド)を超え、これは赤ワイン90杯分(3か月相当)および数週間分のランチ代に匹敵するという。

5月28日に再度投稿された動画では、一連の出来事を伝えられたピートさんが大変驚いた後に「信じられない、恩にきるよ。この場所が本当に大好きだ!」とティムさんに感謝を述べる姿が捉えられていた。

ティムさんは、その時のピートさんの様子をこのように述べた。

「ピートさんは私たちと過ごす時間、そしてこのたびの出来事にとても感謝していました。」

「人々がピートさんに飲み物をおごってくれたのは、みなさんが彼のことをいい人だと思ったからでしょう。」

「彼は困っているわけでも、貧しいわけでもない。人々は彼に同情したのではなく、ただ彼を愛するがゆえに申し出てくれたのです。」

「ピートさんはみなさんに感謝したうえで『自分よりも人々の助けを必要としている人がいる。私のために食べ物や飲み物を買うのは、もうやめてください』とお願いしています。」

これらの出来事に触発されたティムさんは、人々が集まって交流したり、新たな出会いに巡り合える「meet and greet lunchtime」というランチ交流会の立ち上げに向けて動き出しているそうだ。

画像は『The Pub Man 2021年5月25日付TikTok「#foryoupage #fyp #fy」、2021年6月8日付TikTok「#foryoupage #fyp #fy」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)