デッドラインデーに土壇場でサウサンプトン移籍が決まった南野。 (C) Getty Images

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 今冬の移籍市場の最終日に“サプライズ”が待っていた。

 現地時間2月2日、リバプールは日本代表FWの南野拓実が、サウサンプトンに今シーズン終了までのレンタルで移籍することを発表した。英公共放送『BBC』など複数の英国メディアによれば、買い取りオプションは付帯しないという。

 出場機会を求めて駆け込んだ格好だ。リバプール入団2年目を迎えた南野は、今シーズンの飛躍が期待された。だが、公式戦17試合に出場して4ゴール・2アシストを記録していたものの、プレミアリーグ初ゴールを刻んだ昨年12月19日のクリスタル・パレス戦(第14節)を最後に出場時間が激減。ディボック・オリギやジェルダン・シャキリら控え組との競争でも後れを取っていた。

 そうしたなかで、サウサンプトンからチャンスが舞い込んだようだ。『BBC』のチーフ記者であるフィル・マクナルティ氏が、その“舞台裏”を明かしている。

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「サウサンプトンは移籍市場の期限ギリギリになってリバプールのタクミ・ミナミノをレンタルで獲得するための書類をプレミアリーグに提出した。彼らはこの26歳を買い取るためにデッドラインの数時間前に動き、リバプールと同意した。

 当初、サウサンプトンは違う若手選手獲得を狙っていた。アーセナルのエインスリー・メイトランド=ナイルズだ。だが、彼との交渉が決裂してウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンに移籍することが決まり、ミナミノへ目を向けた」

 サウサンプトンはミケル・アルテタの率いるアーセナルで出場機会に恵まれていなかったメイトランド=ナイルズもレンタルで獲得を狙ったものの、交渉が暗礁に乗り上げたために、かねてからスカウティングをしていたと思われる南野に白羽の矢を立てたようだ。

 南野はおそらくチャンスに恵まれるだろう。現在のサウサンプトンは、かつて自身が所属したザルツブルクと同じレッドブルグループが所有するRBライプツィヒを率いていた経験を持つ「オーストリアのクロップ」と称されるラルフ・ハーゼンヒュットル監督が指揮しており、ハイライン&ハイプレスのエネルギッシュなサッカーを志向している。

 リバプールでは本領を発揮できなかった南野。かつて吉田麻也や李忠成が在籍した日本でも馴染みのあるクラブで、再び輝きを取り戻せるかに注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部