森保一監督

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日本代表は17日(日本時間18日)、オーストリアでメキシコと対戦し0-2で敗れた。森保一監督は試合後、GKを固定せず使い分けている理由を語った。

森保監督は試合前日会見で自分のトレーニングの特徴として「マイボールを大切にすることをレベルアップするために、常にGKをフィードプレーヤーと一緒にやってもらうこと」と語っていた。

一方で、これまでの監督は一定期間はGKを使い続けてコンビネーションを高めていたのに対し、森保監督は10月のカメルーン戦で権田修一を、コートジボワール戦でシュミット・ダニエルを起用し、今回もパナマ戦で権田、メキシコ戦でシュミットと固定せずに使った。

森保監督は「考え方として1人のGKを使い続けてチーム作りするというのはあると思う」と言いながらも、「(どの試合も)この1戦が一番大切で、結果を問われると思ってやっているが、チーム全体の強化が絶対的に必要だと思って、2試合でGKまで含めて選手を変えて戦いました」と説明した。

そう考えたとしても、パナマには日本が押し込みGKも前に出て組み立てに加わることもできたが、メキシコには押し込まれる時間が続いた。GKの特長を考えると、足技に優れるシュミットをパナマ戦で、シュートストップに優れる権田をメキシコ戦で起用してもよかったのではないか。

森保監督は10月の試合でのパフォーマンスが今回の起用の要因だという。

「(10月の)カメルーン戦で権田にプレーしてもらって、チームの課題としてGKからビルドアップすることが挙げられた」という。「その課題をどう克服していくかというのを見たいと思った」ためパナマ戦で権田を起用したと説明し、「勇気を持ってビルドアップに関わってくれた」「無失点、自分の特長も出しながらトライしてくれた」と評価した。

そのため、森保監督は2戦目について「どうしようかと思っていた」と迷いがあったという。そこでも「(10月の)コートジボワール戦で勝利という結果を出し、無失点というプレーに貢献していた」という理由でシュミットを起用したとした。

森保監督の発言は、まだ監督の要求を全て満たすGKがいないということも伺わせた。権田、シュミットに加えて川島永嗣、2019年アジアカップの際に招集されていた東口順昭、さらには中村航輔、大迫敬介など、今後も激しい競争が続いていきそうだ。


【取材・文:森雅史/日本蹴球合同会社】