安永が厳しく育てられたという父の存在について口を開いた。写真:滝川敏之

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「試合を見られるのがすごい嫌でした」
 
 9月18日のオンライン取材で、横浜FCのMF安永玲央が父の存在について口を開いた。
 
 安永の父は、かつて横浜マリノス(横浜F・マリノス)や清水エスパルスでストライカーとして活躍し、現在はサッカー指導者・解説者を務める安永聡太郎氏。サッカーを小学校3年生から始めたきっかけも父の影響で、幼い頃は試合が終わるたびに何度も怒られ、鍛えられてきたという。
 
「言われて嫌だったことはありますよ。常にそれは。でも父の意見を聞くと、そうだなって納得しちゃう部分があるから、うざいと思うこともありましたけど、それでいろいろ助かった部分もあるのかなと思います」
 
 プロサッカー選手としての大先輩からの厳しい指導に、時には目を伏せてしまったことはあったが、今となってはその言葉一つひとつが自身の貴重な財産となっている。そのなかで最も記憶に残っている言葉は、「武器を磨け」だという。
 
「自分の武器を磨きなさいと言われていました。プロとして生きていくなかで、ユーティリティプレーヤーもすごいですが、やっぱり評価されるのは武器がある選手だと思う」
 
 安永は昨シーズン横浜FCのユースからトップチームに昇格し、夏からJ3カターレ富山にレンタル移籍。武者修行から帰ってきた今季は、シーズン序盤こそ出場機会に恵まれなかったが、15節・FC東京戦でJ1初先発を飾ると、16節・名古屋グランパス戦でもスタメンの座を勝ち取り、ここ2試合連続で先発出場を果たしている。
 
 下平隆宏監督も、「しっかりとハードワークして戦えるのが彼の特徴。守備でも相手とコンタクトすることを恐れず、ボランチでしっかりフィルターになり、パスの配給のところも成長してきている」と期待を込める。
 
 レギュラー奪取に向け、チャンスが巡ってきている今が正念場。安永は偉大な父の教えを胸に邁進していく。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部