コロナ感染で受け取れるお金もある(時事通信フォト)

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 新型コロナ対策としてマスクやアルコール消毒などの「予防」を実践する人は多いが、感染した場合の「医療費」まで想定している人はそこまで多くないのでは。万が一の事態に備え、罹患した際に「かかるお金」「もらえるお金」を知っておく必要がある。

【写真】30cm大の遠心ポンプや、太い管の大量に付いたECMO

 PCR検査の結果、陽性と判明すれば、治療費、入院費は全額公費負担となる。自力呼吸が困難なほど重症化したコロナ患者には、人工呼吸器や人工肺(ECMO)を装着した治療を行なう。高額な医療費を伴う治療だが、これらも公費で賄われ、患者の自己負担はない。

 感染したら「受け取れるお金」があることも知っておきたい。民間の医療保険や生命保険に加入している人は、新型コロナでの入院治療も補償の対象となる。

 4月に陽性判定を受け、現在は回復して日常生活に復帰している30代会社員・Aさんが明かす。

「加入している終身保険で、14日間の入院に対して1日1万円弱、計15万円弱を受け取りました。申請からわずか1週間くらいで振り込まれた。私は陽性判定が出てから2日間、病院のベッドの空きがなくて自宅待機となっていましたが、その期間も入院とみなされ補償を受け取れた。むしろ家計は潤いました(苦笑)」

 保険大手各社に取材すると、医師の指示による自宅待機やホテル療養の期間も入院補償の対象となることが多い。パソコンやスマホによるオンライン診療も通常の通院補償に含まれるとする保険会社もある。

 また、新型コロナにより死亡した場合、死亡保険金が支払われ、「災害割増特約」に入っていれば金額が割り増しされるケースもあるという。

 自治体の補償に目を向けると、感染者に対し1人10万円を給付した東京・新宿区のように、感染の見舞金を出すところもある。加入する保険会社、住んでいる自治体の定めを確認しておきたい。

 一方、治療や入院、死亡時の補償に比べて、就業不能保険の受け取りはハードルが高いようだ。

 例えば、第一生命は「就業不能状態(入院等)が14日以上継続した場合に短期就業不能給付金、30日以上継続した場合に就業不能給付金をお支払いします」(広報部広報課)とするが、就業不能期間を「60日以上」などと定める会社もあった。

 新型コロナ感染者や濃厚接触者が60日以上にわたり入院、在宅療養や自宅待機を続けるケースは少ないため、支払い事例は多くないのが現状だという。

※週刊ポスト2020年9月11日号