上海上港の絶対的な主力となっているオスカルがエウケソン(9番)に続く中国代表入りをほのめかした。 (C) Getty Images

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 かつてセレソンで主軸を担った男の発言が話題となっている。

 現地時間7月27日、中国の国営放送『CGTN』によれば、スーパーリーグ(1部)の上海上港に所属する元ブラジル代表MFのオスカルは、国際サッカー連盟(FIFA)が国籍変更の規則を変更した場合、中国代表入りを目指すことをほのめかしたのだ。

 FIFAが取り決めている現行のルールでは、ブラジルのA代表でプレーした経験を持つオスカルは、他国の代表に入ることはできない。だが、本人は国籍に関するルールが変更された場合には、中国代表入りを目指すと口にしている。

「今はこの国にいるという理由で、ブラジル代表に選ばれるのが難しい。だから、中国国籍の取得については考えているよ。中国では僕がどれだけ良いプレーを見せているのか誰もが分かってくれているから、最終的に代表が優れたMFを必要としていて、規則が変更されるなら、僕は中国を手助けできる」

 2022年に開催されるカタール・ワールドカップ出場に向け、強化に余念がない中国は、昨年にスーパーリーグでプレーする助っ人選手の国籍変更に着手。日本でも知名度のある広州恒大のエウケソンは、すでに代表戦4試合に出場して3ゴールをマークしている。

 かつてセレソンの10番も背負ったオスカルのこの発言には、中国国内でも様々な反応が見られる。
 
 中国のSNS『Weibo』では、「オスカルがお金のために中国にいるわけではない証拠だ」「今度こそワールドカップに行こう」といったポジティブなコメントが相次いだ一方で、自前の選手の育成に繋がらないという声も少なくなかった。

「中国代表は誰のもの? 中国人ではないの?」
「他にやる気に満ちた中国人選手がいるのに、なぜオスカル?」
「オスカルは中国で好待遇を得たいだけ」
「もし、ルールが変更された場合、UAE、中国、カタールが強くなる」
「文化やアイデンティティーは失われる」
「なぜ根本から強くなろうとしないんだ」
「一過性の強さにすぎない」

 現時点でFIFAが国籍変更に伴う代表戦出場に関するルールを変更する見通しは立っていない。しかし、仮にオスカルが中国国籍を取得した場合には、さらに物議を醸すことになりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部