全体練習もできず、素振り、シャドーピッチングをする日々... 球児たちの「夏」はこのまま終わってしまうのか
新型コロナウイルスの感染収束のメドが立たない状況で、高校野球は3月の選抜大会に続き、夏の甲子園も開催が不透明な状況になっている。
全国選手権大会の開催は2020年8月10日からだが、地方大会の予選は6月20日に沖縄大会から順次開催される。残り2カ月を切り、日本高校野球連盟(高野連)は決断を迫られている。
インターハイ中止で開催ますます困難
5月6日までだった休校も、さらに延長が決まっている地域も多く部員は満足に練習できる環境ではない。春の地区大会も全て中止になった。ある高校の監督は「感染のリスクで全体練習ができないため、やることが限られる。部員たちは家の近くで素振り、シャドーピッチングなどをやっていますが、実戦から遠ざかっているので不安です。他校も同じ条件なので不安を言っていられませんが...」と胸中を吐露する。
3月の選抜大会では出場が決まっていたにもかかわらず中止になり、涙を流す部員たちの姿が報じられた。当時は救済措置として、「春の出場校と夏の出場校で合同開催」プランを提案する声も多かったが、夏の甲子園も開催に向けて暗雲が立ち込めているのが現実だ。全国高等学校体育連盟(高体連)が26日、8月に開催予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止を発表したことも影響している。
スポーツ紙のアマ野球担当記者は、「高校野球も部活動の一環。インターハイだけ中止して、高校野球だけ開催するのは世間の理解を得られないのではないか。今の状況では夏の甲子園を地区予選から開催するのは厳しいでしょう。ただ3年生がこのまま終わってしまうのはあまりにもかわいそうという声もある。異例の事態なので夏の甲子園が中止になった場合は、代替案を検討するべきだと思います」と主張する。
高野連は5月20日の大会運営委員会で、夏の甲子園の開催について議論する。高校野球に打ち込む部員たちは不安を抱えながら、個人練習を続ける日々がもうしばらく続きそうだ。