外国人が日本のクルマを見て驚く! 「クルマがきれい!」

 日本人が旅行で、フランス・パリやイタリア・ローマに出かけてビックリ。町中に駐車している、クルマが汚い。ルノー、プジョー、フォルクスワーゲン、セアト、シュコダ、フィアットなど、庶民が使うコンパクトカーのボディはけっこう汚れている。

 アメリカでも事情は同じ。シボレー、GMC、フォード、ダッジなど、家庭の主婦が子どもを学校へ送り迎えするSUVや、お父さんが通勤で使うミッドサイズも、ボディがピカピカというケースは少ない印象がある。

 中国でも、北京、上海、広州などの大都市を走る、上海VW、東風ホンダ、一汽トヨタのセダンやSUVも汚れが目立つクルマが多い。

 こうした海外事情を、視点を変えて見ると、こうなる。

「日本のクルマは、乗用車もタクシーもどれもきれい!!」と、日本を訪れる外国人たちは驚くのである。どうして、これほどまでに大きな差が生まれてしまうのだろうか?

 最大の理由は、海外ではクルマを移動のための“手段”として捉える傾向が強いからだ。クルマは、A地点からB地点まで移動するための道具だと割り切る人が多い。また、高級ハイヤーを除いて、タクシーや配送車についても、人や物を運ぶ道具として低コストを意識して洗車の頻度が下がる。何事も丁寧なサービスにつとめる日本とは、社会通念が違う。

 もちろん、なかにはクルマが趣味で、時間があれば丹念にワックスがけしたり、車内の隅々まで綺麗に掃除する外国人もいるが、その比率は日本人と比べてかなり低い印象がある。

洗車専門店はあるものの仕上がりのレベルは低い

 では、海外ではどうやって洗車しているのか? まずは、ガソリンスタンドの洗車機について。

 日本の場合、ある程度の規模があるガソリンスタンドなら必ず、最新型洗車機が設置されているもの。ところが、欧米のガソリンスタンドでは、洗車機の設置比率は低く、設置してあっても少し前のモデルだったりする。

 その代わり、洗車専門店がある。その多くは70〜80年代に創業したような古い施設。従業員は移民が多い。最近、アメリカでは新しい機器を導入する洗車専門店が徐々に増えているが、最後の拭き上げは、移民の従業員が大きなタオルでゴシゴシ。日本のサービス業の基準で見ると、洗車の仕上がりのレベルは低い。

 このほか、日本と同じように手持ちのジェット噴射方式の洗車施設があるが、設置している場所は、周囲の環境があまり良くないケースが目立つ。そのため、車内を長時間しっかり掃除する人は少ない。

 要するに、海外では洗車は、面倒な作業だから人任せ。または、短時間で簡単に、といった感覚が常識化している。こうした社会状況を踏まえて、洗車を使ったカスタマーサービスを通じて、ブランドイメージアップに成功したのが、アメリカのレクサスだ。

 地域によって若干の差があるようだが、レクサスでは新車を購入したあと、洗車だけでの来店は料金無料。待ち時間にWi-Fi環境が整ったゆったりスペースでコーヒーやクッキーの無料サービス。これが、顧客の来店頻度を上げ、修理や買い替え需要につながっている。海外の洗車事情、日本人感覚では想像できない。