2度目オスカー受賞のカズ・ヒロ「あなたなしでは」 シャーリーズ・セロンに感謝
10日(現地時間9日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた第92回アカデミー賞授賞式で、2度目のオスカー受賞の快挙を成し遂げたメイクアップアーティストのカズ・ヒロ。その感動的な受賞スピーチを振り返ってみた。
映画『スキャンダル』(2月21日公開)で2年ぶり2度目のメイク・ヘアスタイリング賞を受賞したカズ。2016年に報道された米ニュース放送局・FOXニュースで起きたセクシャルハラスメントの裏側を史実に基づいて描いた本作で、カズはアン・モーガン、ヴィヴィアン・べイカーと共に、シャーリーズ・セロンやニコール・キッドマンを実在のキャスターに変身させた。
アカデミー賞授賞式での受賞スピーチでは、『スキャンダル』のスタッフ・キャストのほかディック・スミスやリック・ベイカーら自身に強い影響を与えた巨匠たちの名を挙げつつ、とりわけシャーリーズ・セロンに深い感謝を述べた。
「ありがとうございます。光栄です。スタッフ・キャストのみなさん、ディック・スミスやリック・ベイカーにも感謝しています。それからシャーリーズ・セロンさん。本当に素晴らしかったです。素晴らしい俳優であり、プロデューサーです。非常に思いやりと愛情をもってこの企画を可能にしました。(だからわたしも)情熱を燃やすことができたわけで、メイクにおける新しい水準というものを確立できたのです。本当にありがとうございました。これはあなたなしでは受賞できなかったはずです」
オスカー初受賞となった『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のゲイリー・オールドマンと同様、『スキャンダル』でもシャーリーズから直々のオファーを受けたというカズ。名だたるスターたちから信頼される彼だが、授賞式直前に現地で行われたインタビューでは、感性を磨くためには「オープンでいること、既成概念を取り外すことが一番大事」と話していた。
「今まで得た知識の範囲内でしか考えらないと広がらないですよね。結局、社会で植え付けられた知識を基準として生活しているので、それを取り外さないと先に進めません。気付くことが大事です。何かを感じるときに、自分ではどう感じているのか。反応する時というのは、自分の中にあるものと返ってきたものがかみ合う時。そのかみ合い方で単に習慣として反応しているのか、あるいは別のことに気付いたのか。それをしっかり見極めることが大事です」(編集部・石井百合子)