5Gスマホ料金「4Gより少し高くなる」ドコモ吉澤社長
3キャリアがこの春スタートする予定の「5G」。未だ料金は発表されていませんが、NTTドコモの吉澤和弘社長がその料金イメージについて話しました。

吉澤社長は1月30日の四半期決算会見にて5Gの料金について聞かれた際、「現行の4G LTEスマホ向けプランから大幅に高くなるということは考えられない。4G LTE向けプランより少し高くなるが、5Gだから大幅に高くなるということはない」と答えています。

また、プランの内容については以前の決算会見の際と同様に「アンリミテッド(使い放題型)」が考えられると話しています。

この吉澤社長の「少し高くなる」発言については、先行している海外キャリアの例を考えると分かりやすいでしょう。たとえば米国のVerizonは全米の数十都市で5Gサービスを展開していますが、5Gの料金は「5Gスマホで接続した場合、4G LTEプランにプラス10ドル」というものになっています。Verizonの4G LTE向けプランは月50GBで80ドルなどがあり、このプランで5Gを使うと90ドル(約9800円)となります。家族割引のようなサービスもあるため、利用形態によってはもう少し安価になります。

▲米携帯キャリアVerizonの料金ページより。「5G通信機能は10ドルの上乗せ」と記載されている

もちろん、ドコモと米キャリアのVerizonでは置かれた環境が違いますが、5Gで無制限プランが前提となった場合には吉澤社長の発言どおり料金は「現行の4Gスマホプランに少し上乗せ」になりそうです。なお、5Gのスマホ代金は別に支払う必要がある点には注意が必要です。

5G「2020年春」開始予定は変わらず



ドコモでは5Gのサービス開始時期を「2020年春」としていますが、明確に何月に開始するとは表明していません。この件についてドコモは「"春"は3〜5月の3カ月間のこと。まだ決まっていないというのが実態だ」と説明しています。

競合キャリアの5G開始時期は総務省の資料によるとauは「3月」、ソフトバンクは「3月頃」、楽天モバイルは「6月頃」となっています。ドコモの5Gサービスは早くて3月で、遅くても6月開始の楽天よりも先に提供開始されることになりそうです。

■他キャリア対抗「60GB」効果を発揮

ドコモでは1月から4G LTEスマホ向け大容量プラン「ギガホ」の月間容量を料金そのままで2倍の60GBに増量するキャンペーンを開始しています。その背景には、他社の"大容量化"の動きがありました。



ソフトバンクでは2018年の新プラン「ウルトラギガモンスター+」提供開始以降、月間50GBという大容量プランが販売の中心となっています。またauではスマホでデータ通信が使い放題の「auデータMAXプラン」を2019年から提供しています。こうした他社の動きに対して、ドコモの「ギガホ」の月間30GBという容量は(実際に使いきるユーザーにとっては)見劣りしていたようです。

吉澤社長は「毎月データ通信を多く利用するユーザーが他キャリアへ転出する動きが増えていた」と語り、利用動向を踏まえて倍増キャンペーンを実施したと説明しました。
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