人で溢れかえる武漢市内の病院(画像は『自由亚洲电台 2020年1月24日付Twitter「【武汉医院连续第三晚现人潮】1月23日晚,武汉医院内外仍挤满发热病人轮候,医院内亦陆续传出药物不足的消息,院方也求助无门。」』のスクリーンショット)

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中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスは、日本でも2人目の感染者が確認されるなど猛威をふるっている。中国では国民が大移動する旧正月(春節)の連休が24日に始まっており、中国当局は発生源とされる武漢市やその周辺を事実上封鎖するなどの対応に追われている。そんななか米国政府が出資する『自由亚洲电台(ラジオ・フリー・アジア)』などでは、武漢市を中心とした中国国内の様子を捉えた写真や動画が次々と投稿されており、人々の不安は増すばかりのようだ。

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中国国内で撮影されたとみられる動画がSNSで拡散中だ。『自由亚洲电台』の21日のTwitterでは、防護服を着用したスタッフ2人が、救急車から新型コロナウイルスに感染したと思われる患者を降ろしている。患者はプラスチック製のチューブ状の棺に入れられており、スタッフは防護服にグローブ、ゴーグルと重装備だ。撮影されたのは広東省恵州市とされており、武漢市から南に約1000キロの位置にある。

武漢市に入った『The Sun』のリポーターは23日、「市は1100万人が住むとは思えないほど静まり返っています。みな家に籠っているのです」と語っており、市内がゴーストタウンと化していることを明かしている。

一方で武漢市内の病院は感染の疑いがある人で溢れかえり、満員電車さながらの状況だ。ある動画では、なかなか検査が進まずに待たされる人々と「パニックにならず、話を聞いて下さい」と声を荒立てるスタッフの様子が捉えられており、双方に苛立ちや疲れが見て取れる。治療を受けられてもベッドが足りず、廊下に置かれたベッドに寝かされた患者もいる。

病院の敷地内では急遽設置された隔離用テントが並び、防護服を着たスタッフが外で待機している。そしてカメラを手にした男性は、この異様な光景に「思ったより深刻だ。子供はこんなところに来ちゃいけない。バイオハザードだよ」とつぶやくのであった。また「病院は保険がある人しか受け付けない。混乱は増すばかり」、「医師の診察を受けるのに10時間待たされた」、「検査キットが不足している」、「最前線で働く医師や看護師が不足している」、「人々は絶望している」、「春節で家族が集まれなくなった」、「これでは感染を抑えるどころか、市内での感染者ばかり増えるのでは」、「いつまでこんな状態が続くんだ」、「不安だ」、「怖い」といった声もあがっているようで、市民はかなりのストレスにさらされている様子がうかがえる。

中国のネット通販最大手「アリババ・グループ・ホールディング(BABA)」によると、ショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」では20日と21日の2日間だけで8000万個のマスクが売れたとしており、マスクが品薄になって市民に少なからず混乱が起きていることを明かしている。

中国当局は24日、感染による死者が26人、発症した人は800人を超えたとして国内の封鎖エリアを広げているが、感染はすでに海外にも拡大している。アメリカで最初の感染者となった男性は、6×6メートルの隔離室に閉じ込められ聴診器を持ったロボットによる治療を受けているというが、感染者が増えるばかりの中国の対策は万全と言えるのだろうか。中国国内の駅や空港では体温測定が実施されているが、ウイルスの潜伏期間は7日前後。そして人々が大移動する春節がスタートしている。

画像は『自由亚洲电台 2020年1月24日付Twitter「【武汉医院连续第三晚现人潮】1月23日晚,武汉医院内外仍挤满发热病人轮候,医院内亦陆续传出药物不足的消息,院方也求助无门。」、2020年1月21日付Twitter「【全副装备运送病人】广东惠州发现疑似感染新型冠状病毒病人,在救伤车运送期间,医护人员都做足了准备,病人几乎是被完全密封着。」、2020年1月23日付Twitter「【武汉医院搭起临时帐篷】【应付可能出现的大量病人】1月22日,武汉多家医院已全面戒备,搭起临时帐篷,隔离可能出现的大批病人。当地人形容跟生化危机一样。」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)