日本三大農業用水とも称される「見沼代用水」。埼玉・行田市付近の利根川より取水され、西縁はさいたま市南区、東縁は東京・足立区まで流れている。

その見沼代用水の流路沿いには、子供にはトラウマレベルで怖い看板があるという。それがこちらだ。


埼玉・白岡市にあった看板(2019年9月9日、Jタウンネット撮影)

不気味なカッパが自ら顔を出し、上に「このへんはこわいぞ」と書かれている。あまりに直接的な表現だ。

実はネット上の一部ではかねてから知られる存在で、県民にも馴染みのある人がいる有名看板なのだ。

設置主を取材すると...

大人でも夜に見かけたらびっくりしてしまうであろう「このへんはこわいぞ」看板。筆者が訪れたのは埼玉・白岡市にある柴山伏越すぐ近くのフェンスだ。

以前から看板存在自体は知っていたものの、どこに設置されているかまでは掴んでいなかった。しかし、ネット上を調べてみると行田市やさいたま市と流路であればかなり広い範囲で見られるとの情報があった。

撮影した看板から久喜市方面に向かって数分歩いたが、あったのはこれだけ。どこにでも設置されているわけではないようだ。

内容からして子どもが近くに来そうな場所があるとも考えられる。柴山伏越も公園のように整備された場所があり、地元の小学校の授業でも登場するので子どもが来てもおかしくはない。

また、見沼代用水だけでなく別の場所での目撃情報があるなど曖昧な部分が多い。

そこでJタウンネットは2019年9月10日、独立行政法人水資源機構の利根導水総合事業所見沼管理所の担当者に話を聞いた。

ネット上で見かける写真や筆者が見た看板など年季が入っているものが多いが、いつから設置されたものなのだろうか。詳しいことはわからないとしつつ、こう話した。

「かなり昔でして、昭和46年(編注:1971年)から50年(編注:1975年)くらいに設置されたようです」

昔のホラー漫画のような画風だったが、まさか半世紀近く経っているとは意外だった。

そして注目を集める要因である直接的なデザインについて聞くと、

「わからないところではあるのですが、一説によると警察や防犯協会のデザインをつかったものではないかと」

と担当者。注目されたのはネットが普及した最近のことであり、詳しい情報も残っていなさそうだ。


「このへんはこわいぞ」看板

設置場所についても見沼代用水、県内の埼玉用水路、群馬の邑楽用水路の3つが当初設置された場所であるという。しかし、担当者によると「古いものですから、壊れてしまったものも...」と話しており、この3つの用水路で残っている場所であれば見られる。

ふらりと立ち寄ってすぐに発見できた筆者はラッキーだったのか――。


柴山伏越にあった地図。赤丸で囲んだのが、埼玉用水路と邑楽用水路

ツイッターにはデザインが気に入りすぎたのか、看板のイラストと文字を使ったTシャツを作る熱狂的なファンまでいる。

既に50年近い年月、屋外に設置されているため、いつの日か全てが壊れてしまってもおかしくない。

近くに見沼代用水や埼玉用水路、邑楽用水路がある方は形がある今のうちに探してみてはいかがだろうか。