いよいよ東京も梅雨入り。ジメジメシトシト雨が降る季節となってまいりました。しかし、そんな梅雨でも我々映画ファンには関係がございません。雨が降ろうが槍が降ろうが、映画は基本屋根がある屋内で上映されております。ああなんて映画って素晴らしいんだ……。

ところで、雨を扱った映画作品は数々ございます。なかには踏んだり蹴ったり絶対絶命のピーーーーンチ!な絶望的状況で、追い打ちをかけるように降り注ぐ雨……「ああ、もう死にたいんですけど、はっきり言って」なんてシーンありますよね。

今回はそんな“踏んだり蹴ったりな上に降り出す雨”が印象的な映画を集めてみました〜! レッツ・レイン・トゥギャザー!

ジュラシック・パーク』(1993)

懐かしいですね〜。恐竜映画の金字塔といえば、やはりこのスティーヴン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』でしょう。恐竜がVFXの技術で忠実に再現され、当時大ヒットを記録しました。さて、そんな『ジュラシック・パーク』での雨といえば、あの衝撃的なシーンでしょう。

ストーリー中盤、トラクターが恐竜によって崖から宙吊り状態に……。数百メートル下はザッパーーーンと波打つ大海原……。土砂降り状態の中、ようやく崖を這い上がった一行……。だがそこには伝説のT-REXが待ち構えていたのです……!そしてT-REXは瞬く間に彼らを襲い……!

いや〜あのシーンは強烈でしたね。これぞ「絶望感」ぱねぇ……!

『七人の侍』(1954)

名作オブ名作、『七人の侍』皆さんご覧になられたことはありますか? 「名作と呼ばれてはいるけれどちょっと白黒映画は抵抗を感じる……」。わかります。たしかにそのお気持ち。しかし、その気持ちを少しだけおさえ、一度ご覧になってみてください。かの黒澤明監督の代表作です。映画ファンのあなたなら間違いなく感動するはずです。

っと、まあ作品のおすすめはこれくらいにして『七人の侍』のストーリーはいたって簡単。超ざっくりに言いますよ。

「七人の侍が大量の野武士と戦う」。以上です。

圧巻はラストシーン。大量の荒くれモブ野武士たちが村に襲い掛かります。そしてこの決戦シーンを彩るのがなにを隠そう豪雨。豪雨の中絶望的な夥しい数の野武士たちと決戦を繰り広げるのです。無双する侍たちですが、一人、また一人と戦死。その絶望的な中、豪雨は彼らに追い打ちをかけるように振り続ける……。いや〜こりゃしんどい。黒澤監督、どSですわほんと。

『セブン』(1995)

キリスト教における「七つの大罪」がモチーフとされた猟奇殺人事件を扱う本作は、作品全般を包むのが雨……。私が今この原稿を書いている外で降るこの雨のようにシトシトと作品全体を雨が包みます。そして登場人物もその雨に相成りテンションひっく!!! いえ、デヴィッド・フィンチャー監督独特の世界観が醸し出された大ヒット作品でございます。

雨の中、ブラッド・ピッド演じるデヴィッド・ミルズが犯人を追うシーン、デヴィッドは足を滑らせ腕で車のフロントガラスを突き破り……! 本作でもアワワワっとなるこのシーンもやはり雨。そして、そんな雨の中、世紀のバッドエンドを迎えるのですが……さすがにこれはネタバレしたくないので未見の方はぜひ本作をご覧になってみましょう〜。

『IT/イット』(1990)

 雨が降ると現れるあいつ……そう、それはペニーワイズ! ペニーワイズといえば、カリフォルニア出身のパンクロックバンド「PENNYWISE」でしょうか、いえ、こちらティム・カリー演じる『IT/イット』のペニーワイズでございます。2017年にはリメイクもされた本作。ペニーワイズが現れる時……

!!!「雨」が降る!!!

いや〜これ子供の時に観て、こわっ! ピエロってこわ!っとなった方も多いはず、まさに私もその一人。子供の頃にこんなやつ出てきたらもう絶望以外何者でもないですわ。机の引き出しから突然でてくる青い坊主、雨になったら出てくるペニーワイズ、この二つは子供の頃のトラウマになりかねない恐怖そのものでございます。雨が降ると……あいつが来るぞ〜!

いかがでしたか? 「雨×絶望=ぱねえ」ということをご理解いただけましたでしょうか。雨が降ることにより絶望感が増し、そして雨が降っていることによって、われわれの気持ちをザワザワさせてくるのです。

シトシト降り続ける雨にゾワゾワするスリルを味わってみるのもいいでしょう。