【MLB】「いい打ち方をすると、フライが打てる」大谷翔平が復調のキッカケを掴んだ前夜の左飛
前日の左飛が復帰後初めてのフライアウト「今日に繋がるアウトだった」
■エンゼルス 7-2 オリオールズ(日本時間12日・ボルティモア)
エンゼルスの大谷翔平投手が11日(日本時間12日)、敵地オリオールズ戦に5試合連続「3番・DH」でスタメン出場し、5打数2安打1打点と2試合ぶりにマルチ安打を記録した。第3打席で右腕イノーアから11打席ぶりの安打となる左前安打を放つと、第5打席でも右前適時打。5打数2安打1打点1得点とし「最初の打席から感じは良かったかなと思うので、5打席立って、各打席良かったと思います。無駄な打席なく確実に進んでいる感覚はあります」と復調への手応えを口にした。
前日の試合は5打席無安打。この日も、第1打席は中飛、第2打席は左飛に倒れ、9日(10日)のタイガース戦の3打席目から10打席連続無安打が続いた。待望の一打は6回。先頭打者として打席に入った大谷は2球目、右腕イノーアが投じた外寄りの真っ直ぐをはじき返すと、打球は左前で弾んだ。
2試合ぶり、11打席ぶりの安打を放つと、その後カルフーンの中前適時打で生還。復帰後初得点もマークした。7回の第4打席は左飛に倒れたが、4点リードとなった9回1死二塁で回ってきた第5打席では、3ボール1ストライクからの5球目、右腕ヤカボニスが投じた真ん中低めのボールをはじき返して右前へ。これが適時打となりこの日は、5打数2安打1打点1得点だった。
試合後、自身の状態が確実に良化していることを感じていた大谷だが、そのキッカケとなった一打があった。それが、前日のオリオールズ戦での最終打席だった。9回1死での第5打席。右腕カストロの真っ直ぐを打ち上げ、左飛に倒れた。伸びを欠き、フェンス前で失速した打球だったが、角度よく打ち上がった。復帰4試合目にして、初めてフライを打ち上げての凡退だった。
ここまでの4安打は全て単打も「勝手に、もうちょっと良くなったら出てくる」
大谷は2安打を放った試合後、こう振り返った。「初めてフライアウト打って、いい感じの打席だったので、アウトにはなりましたけど、僕の中では今日に繋がるアウトだったかなと思います。調子が良くない時も、良い時も良くなるために試したりする。最終打席はいい感覚のほうに出てくれたので、継続してやってみました」。左飛に倒れた打席で、大谷に芽生えた“いい感覚”。それが、この日の2安打に繋がった。
決してフライを打ちにいったわけではない。「フライを打ちたいから打ちにいくのではなく、いい打ち方をしていたらフライが打てるということ。それが昨日の最後の打席はできて、それまでの打席ではできてなかったということだけなので。その感覚を打席の中で出していければ、今日のような角度のついた打球、もうちょっと角度のついた打球がどんどん出てくるんじゃないかなと思います」。この日も第1打席の痛烈な中飛に始まり、第2打席は左飛、第4打席も痛烈な左直。凡退の内容も、これまでの4試合と明らかに変わった。
この日の2安打で、復帰後5試合は21打数4安打0本塁打3打点、打率.190となった。ここまでの4安打は全て単打で、まだ長打は出ていないものの、大谷自身は意に介さない。「今日の打席もあと1ミリ下だったらフェンスを越えていたりとか、1ミリ右だったら間を抜けていたりとか、そういう微妙な中でやっているので。勝手に、もうちょっと良くなったら(長打も)出てくるんじゃないかなと思っているので」と、打撃の状態をさらに上げることに意識を集中させる。
「いきなりよりかは、こうやって少しずつステップしていったほうが、何が良くて何が悪かったかハッキリ分かってくるのでいいんじゃないかなと思います」と大谷。ファンが待ち望んでいる豪快な本塁打。復活の一発が出る日も、そう遠くはなさそうだ。(Full-Count編集部)