高橋一生が歌手デビュー、かつては織田・反町・栄作も “人気俳優” はなぜ歌う
俳優の高橋一生が、4月13日スタートの主演ドラマ『東京独身男子』(テレビ朝日系)の主題歌『きみに会いたい-Dance with you-』で歌手デビューする。曲はエレファントカシマシ・宮本浩次によるもので、プロデュースも宮本が行う。
織田裕二や反町隆史も
「本格的な歌手デビューは今回となりますが、歌声を披露する機会は、実はこれまでにもたくさんあったんです」
と、あるドラマ評論家は言う。
「印象深いのは、2017年に放送されたドラマ『カルテット』(TBS系)の主題歌『おとなの掟』ですね。松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平と主演4人で椎名林檎が作った曲を歌いました。高橋は、松や満島といった歌手経験がある女優に負けない表現力で、好評でした。
さらに古いところでは、松山ケンイチ主演の映画『デトロイト・メタル・シティ』なんかでも少し歌ったりしています」
かつてNTTドコモのCMでも、Mr.Childrenの『抱きしめたい』をアカペラで披露したこともある。
「歌ってませんが、キリンの『生茶』のCMでは彼がピアノを弾き、森山直太朗がそれに合わせて歌ったことも。『氷結』のCMではスカパラと共演し、ブルースハープを吹いていました。音楽的センスを感じさせられる機会はこれまでにもありました」(前出・ドラマ評論家)
本格的に歌手活動を行っている俳優としては、近年ではディーン・フジオカや菅田将暉、桐谷健太などが印象深い。ある芸能記者は言う。
「平成の前半では、織田裕二や反町隆史、吉田栄作などの俳優陣が曲を出してヒットを飛ばしています。もっとさかのぼると、石原裕次郎や水谷豊に中村雅俊、渡辺徹など、人気俳優が歌うことは珍しいことではないですよね。
その逆もあって、福山雅治や星野源、それから吉川晃司や浜野謙太など、俳優として成功しているミュージシャンもたくさんいます」
人気俳優の歌手デビューは、なぜ多いのだろうか。前出の芸能記者が続ける。
「歌手活動する女優ももちろんいますし、もともとは人気があるから歌も売れる、という単純なことだと思います。出演作品の主題歌を担当すれば、相乗効果も期待できますからね。ひと昔前は、今よりもCDが売れ、ヒット曲が身近な世の中でした。出す側も仕事の幅や表現力を広げたいときにCDデビューというのは身近で、ウリにしやすいという側面もあります。だからときどき、びっくりするような下手くそな人もいるわけで(笑)。
とはいえ、俳優と歌手業、どちらにも共通するのは表現力、そして声がいいこと。日頃、演技をする俳優は曲の世界観を表現するのが上手ですから、高橋一生も、あの声に魅力を感じるという人が多いので、歌手活動は期待できるのではないでしょうか」
さらに、前出のドラマ評論家は好きな俳優のパフォーマンスを心底楽しむファンも増えていると言う。
「ディーンや菅田くんなどのパフォーマンスは、音楽が好きということがよく伝わり、見ているファンも一緒になって楽しんでいます。かつては“役者ロック”という言葉でちょっと下に見られることもあった俳優の歌手活動ですが、今は事務所が歌わせるというよりも、音楽が好きだから挑戦してみたいという俳優のほうが多いと思います。
宮本浩次さんプロデュースということで、おそらくクオリティーにも期待できる。高橋一生の曲がチャートの上位にランクインする可能性も、十分ありますよ!」
主演ドラマと、その主題歌。ヒットするのはどっち!?
<取材・文/渋谷恭太郎>