森保一監督(撮影:森雅史/日本蹴球合同会社)

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14日、森保一監督は22日のコロンビア戦、26日のボリビア戦に向けた日本代表を発表した。会見の中で森保監督はアジアカップで顕在化した現状の課題6点を次のように語った。

「個の部分で局面を突破する」

「連携・連動の部分で局面を突破する」

「最後のシュートで終わる、得点を決める」

「攻守において、やはり個の力を大きくする」

「守備から攻撃になったとき、相手にプレッシャーを掛けられているときにボールを保持して、攻撃ができるように(する)」

「チームとしてボールを失った瞬間、そして相手にボールを保持されたときどうするか(中略)、押し込まれたときにどうするかという部分、局面の中でどうしたらいいかということをチームで共通理解(する)」

この6点のうち、最初の4つは個人の能力に関係しており、最後の2つは監督の考えをチーム全体に浸透できるかという点に関わってくる。

この比率が物語るのは、チームを作り始めて2年目の現在は、まだ個人の能力をどう引き上げていくか、あるいは高いポテンシャルを誰が持つのか見極めるほうが現在の優先事項ということになるのだろう。今回も安西幸輝、畠中慎之輔、鈴木武蔵、鎌田大地という4人の新顔が選ばれている。

ただし、現在は日本代表を取り巻く不安材料が見え隠れしている。それは世代交代が思ったほど進んでいないことが象徴している。

2018年ワールドカップのときの日本代表の平均年齢は28.3歳。森保監督が就任直後に選んだメンバーは25.4歳で、この選手たちが入れ代わらなければカタールワールドカップでは前回大会よりも年齢が上がる。

では今回選ばれたメンバーの平均年齢はというと、25.5歳と監督就任時とほぼ変わっていない。本来ならもっと若手が入ってきてもいいはずだ。これは、22日から26日までミャンマーでAFC U-23選手権タイ2020予選が開催され、若手選手はそちらに参加するためという事情もあるだろう。

日本にとっては、今後、U-22日本代表選手が成長し、A代表に入ってきて問題を解決するのが最良のシナリオとなる。だが、U-22日本代表とA代表の活動時期はほぼ重なっている。監督がどうやって両方のチームを見ていくのか、そして若手をどう成長させるのかはまだ見えない。

重要課題であるはずの世代交代をどう成功させるのか。メンバー選考以外の部分で監督は頭を悩ませていることだろう。

【文・撮影:森雅史/日本蹴球合同会社】