「未知なるニッポンをクエストしよう」

こんなコンセプトを掲げ、日本全国にある「道の駅」を観光地と観光地を結ぶハブにしようと、新たな地方創生事業「Trip Base道の駅プロジェクト」が始まる。


「Trip Base道の駅プロジェクト」始動。（写真はJタウンネット編集部撮影）

住宅メーカーの積水ハウスと世界各地でブランドホテルや宿泊施設の運営などを手掛けるマリオット・インターナショナルとの共同で行われる本プロジェクト。2018年11月28日、東京都内のホテルで新プロジェクトの発表会が行われ、契約書へのサインが交わされた。

「新しい旅のスタイルを実現したい」


新プロジェクトの事業説明が行われた（左から仲井嘉浩社長、クレイグ・スミス社長）

今後さらに多くの来訪者が見込まれる「道の駅」に焦点をあて、日本初上陸となるホテルブランド「フェアフィールド・バイ・マリオット」をロードサイド型で隣接展開していく。これまで「通過点・休憩点」として捉えられていた道の駅を「地域の観光資源を繋げる新たな拠点」として活用していくことが狙いだ。

積水ハウスの仲井嘉浩（なかい・よしひろ）社長は、

「地方には様々な観光資源がまだまだ眠っている。魅力を顕在化してネットワークすることによって新しい旅のスタイルを実現したい」

と、本プロジェクト実施のきっかけを語った。仲井社長によれば、14年から17年の過去3年で地方に宿泊する外国人数が2倍以上に伸張しており、地方では宿泊施設が足りていない状況もあるとのこと。

「道の駅をベースにし、分散している地域の観光資源をネットワーク化していくことで、地方創生に貢献して参りたいと考えております」

と、新プロジェクトに期待を寄せた。

マリオット・インターナショナルアジア太平洋社長兼マネージングディレクターのクレイグ・スミス氏は、近年日本のインバウンド市場が成長している状況を受けて、「これは大きなチャンスである」と自信を覗かせた。

スミス氏によれば、日本では今年8月時点で2000万人を越えるインバウンド旅行者を迎え入れており、近年は日本の知られざる秘境を求める旅行者も多いのだという。「シンプルであることの美しさ」を重要視する「フェアフィールド・バイ・マリオット」で心温まるおもてなしを約束した。


社長同士で契約書へのサインが交わされた

第一段階として20年秋以降に栃木、岐阜、三重、京都、和歌山の5府県15か所におよそ1000室をオープンし、追って全国展開していく予定。

本プロジェクトでは積水ハウスがプロジェクトマネジメントを担当。マリオット・インターナショナルがホテルを運営していく。

道の駅を使った新プロジェクトの動向に引き続き注目したい。