25日放送、読売テレビ「あさパラ!」では、一時期人気が低迷していた新日本プロレスを驚異的な復活に導いた秘策に迫った。

アントニオ猪木氏が設立し、90年代に蝶野正洋・橋本真也・武藤敬司の「闘魂三銃士」が活躍してプロレスブームを巻き起こした新日本プロレス。だが、その後はK1ブームや人気選手の退団などで人気が下火に。2011年には全盛期の1/3に売上高が減少した。

ところが、その後は業績がV字回復。棚橋弘至、オカダ・カズチカ、真壁刀義、本間朋晃といった人気レスラーが続々登場し、今では試合チケットが即完売。女性ファンも殺到している。2018年は過去最高の売上高を更新中だ。

復活劇のキーマンは、木谷高明氏。エンターテインメント企業「ブシロード」の創業者で、6年前から新日のオーナーに就任し、プロレスブームを復活させた救世主だ。

木谷氏によると、V字回復の1つ目の鍵は「どこでも誰でも見られるプロレス団体へ」。昨年7月からロサンゼルスやサンフランシスコなどで、新日が主催する興業を実施。1日で約7000人の動員を記録している。月額999円の動画配信サービスの会員10万人のうち、40%程度はアメリカをはじめとする外国人。海外ファンを獲得し、約30カ国のテレビ局に試合映像を販売している。

次のキーポイントは、選手たちによるSNSプロモーションだ。木谷氏は「選手とお客さんの距離感を縮める」「ファンはリングの中が1番興味あると思うんだけど、『リングの外側』にもやっぱり興味がある」と説明した。

木谷氏によると、基本的には選手全員にSNS活動を求めているという。ベテランの獣神サンダーライガーも例外ではない。特に「第一人者」と称賛したのが、棚橋だ。1日に何度もSNSを更新し、プロモーションに貢献してきた棚橋は、9月公開の映画で主演も務めている。

そうしてレスラーの活躍の場が広がることで、木谷氏は「お客さんの層が変わってきた」と明かす。プロレス女子、いわゆる「プ女子」ブームの到来だ。木谷氏によれば、「女性が増えるとまた男子が増える」「女子は女子も誘うから、どんどんどんどん観客が増える」という。

実際、レスラーも「声援の色も最近黄色くて、客席見渡しても半分ぐらいが女性」と証言。女性限定イベントも開催されており、人気若手レスラーが写真集でアイドル顔負けのセクシーショットを見せているほどだ。

木谷氏は最後に「愛とパッション」が必要と主張。「プロレス愛がなきゃダメなんですよ。ただ、愛だけあっても、それを広げる情熱がなきゃダメ」とし、プロレス愛を持ったレスラー、スタッフ、客が「もっと盛んにしたい」と情熱を燃やした結果が、ここ6〜7年のV字回復につながったと分析した。