再開後のJリーグでもっとも話題をさらっているのは、アンドレス・イニエスタとフェルナンド・トーレスの2人と言って間違いないでしょう。2人のプレーを見に多くの人がスタジアムを訪れていて、集客効果は抜群のようです。

イニエスタのプレーは単純にゴールだけ取り上げても、あまりJリーグでは見られないような素晴らしい得点でした。他にもすごいプレーがあるのですが、わかりやすい形で凄さがわかったと思います。

一方のトーレスはなかなか苦しんでいます。トーレスが入った鳥栖は残留争いで苦しんでいて、そのぶん良さをすべて発揮しているとは言い難いと思います。また、チームとしてトーレスをどうサポートしていくか、まだ解決策が見つかっていないようにも見えます。

すると「トーレスのコンディションはよくない」という意見も出てきたようです。ですが僕はそうは思いません。得点以外の部分でも、トーレスの動き出しの早さ、反応の素早さ、独特のリズム、柔らかなボールタッチなど、やはり一級品という輝きはあるのです。

鳥栖はせっかくトーレスを獲得したのですから、これまでの「チームとしてがむしゃらに戦う」という良さに加えて、トーレスを生かすパスをどう供給するかという課題に、さらに挑まなければならないでしょう。僕はイニエスタがすぐに活躍して、トーレスが最初苦しんでいるのは、ルーカス・ポドルスキのような役割の選手がいるかどうかだと思っています。

トーレスにとって好材料は金崎夢生の加入です。コンビネーションを作るのには時間がかかっていますが、トーレスと金崎が絡んでゴールが生まれたら、一気に好転することもサッカーではよくあることです。そうすればトーレスの本当の良さはもっと目立つと、僕は期待しています。