ゲーム「Friday the 13th: The Game」公式サイトで、新たなゲームモードやキャラクター、マップといった新規コンテンツの制作が中止になったことが発表されました。これはゲームのもとになった映画「13日の金曜日」の所有権を巡る裁判の影響で、判決が出るまではバグ修正やメンテナンスといったサポート以外は行われないことになります。

End of content | Friday the 13th the Game

http://www.f13game.com/news/end-of-content/



「Friday the 13th: The Game」はKickstarterでのプロジェクトを成功させて制作されたゲーム。目標額は70万ドル(約7700万円)とかなり高額でしたが、2015年10月14日から11月14日までの1カ月間で82万3704ドル(約9100万円)を集めました。

Friday the 13th: The Game by Randy Greenback - Gun Media - Kickstarter

https://www.kickstarter.com/projects/613356213/friday-the-13th-the-game/



いくらKickstarterでお金を集めたとしても、原作にあたる映画の著作権者から許諾を得なければ勝手にゲームを作って発表することはできませんが、ゲームを開発するGunMediaはショーン・S・カニンガム監督や、音楽を担当したハリー・マンフレディーニ氏らと協力体制を築きました。

プロジェクト成立後、ゲーム制作は順調に進み、2017年5月にはPC・PS4・Xbox One向けにリリースされました。ゲームの音声や字幕は英語オンリーですが、Steamで配信されているPC版ならインターフェースが日本語に対応しているので、すでにプレイしているという人もいるかもしれません。

ところが、ゲームがリリースされる前年の2016年に持ち上がったのが、1980年に公開された映画第1作で脚本を担当したヴィクター・ミラー氏との間の「所有権」問題です。

ミラー氏は作品の権利はこれまでスタジオに委ねていました。しかし、アメリカでは著作権法を1976年に改正した際、著作者からの権利付与終了を作品発表から35年後以降に行えることを第203条で定めているので、2018年7月にこの「付与終了」を実行し、権利を取り戻したいことを表明しました。

2016年6月にこの知らせをミラー氏から受けたスタジオ側では、ミラー氏が「13日の金曜日」以前にホラー作品の執筆経験がないことを指摘し、脚本はミラー氏独自の著作ではなく、カニンガム監督の指導のもとスタジオに雇用されて書いたものであると主張。ミラー氏、スタジオ側ともに正式審理を省略して判決を下す略式判決を求める状態となっています。

ミラー氏が訴えを起こしたのはKickstarterのプロジェクトが成立してから「Friday the 13th: The Game」が発売されるまでの間で、ゲーム側からみれば最悪のタイミングといえる状況でした。GunMediaのリリースによれば、制作中止となるのは「新規コンテンツ」とのことなので、リリース済みのゲーム自体への影響はないとみられますが、カニンガム監督がプロデュースする予定の「13日の金曜日」新作への影響は避けられないものとなりそうです。

ちなみに、2018年7月13日(金)に「Friday the 13th: The Game」のPS4向け日本語版が発売予定です。

Friday_the_13th:The_Game フライデー・ザ・サーティーンス ザ・ゲーム

http://7gof.tokyo/friday-the-13th/