寿司チェーン店の原価率は50〜70%…お得メニューはどれだ?
「丼丸」社長
「現在はマグロに加え、サーモン類の高騰も続いています。うちの原価率は平均して60%近くですが、メニューによっては70%を超えますね」
今、日本で原材料にもっともコストをかけている外食チェーンのひとつが「丼丸」だ。運営する(株)ササフネの中村正寿社長が答えてくれた。
持ち帰りの各種海鮮丼は、一律500円(税別)で提供する。ボリューム満点で、平均60〜70種とメニューはとにかく豊富。店舗数は全国で約400もある。たしかに最近よく見かけるが、そんなに大規模なチェーンだったとは……。
「うちはチェーンと呼ぶには自由すぎるんです。屋号は『丼丸』さえついていれば、自由に変えていい。メニューも40種しか出さない店もあれば、100種を超える店もざら。盛る量やカットも全部オーナーさんまかせなんです」(中村社長)
「丼丸」は、創業者の大島純二会長が1979年に始めた寿司店がルーツだ。直営で25店舗まで増やし、2007年に現店名に。2012年にフランチャイズ募集を始めると、あっという間にパートナーを増やした。
ロイヤリティはのれん代の月3万円のみ。食材や資材の仕入れ先は紹介するが、強制はせず、マージンも取らない。グループ店間で価格競争に走らないよう、「500円未満の値段設定禁止」の制約があるだけだ。
「食材は、どれもスライスされた状態で運ばれるため、ロスがほとんど出ません。それで原価率を抑えられるのが強みです」(中村社長)
飲食店の原価率は30%程度が適正だといわれるが、回転寿司は大手のスシローやくら寿司も45%超と高い。
一方、“回転” といいつつも、職人が居並び、活気あるカウンター寿司という印象が強いのが、全国に89店ある「すし銚子丸」だ。この銚子丸の原価高メニューは本まぐろ。マグロの価格相場はビットコイン並みに変動が激しい。
「銚子などでいい状態のキハダマグロが揚がれば、限定品として提供することはあります。ですが、『銚子丸』で使用するマグロの7割以上は本マグロです。大量仕入れと並行し、天然マグロが安く買えるときに少しずつ買いだめるなどの工夫をしています」(同社広報)
【丼丸】原価率70%超!
●お得なメニューは海鮮丼、どんまる丼、北海丼など、マグロ・サーモンが入るメニュー
人気は7、8種のネタが載る海鮮丼に、マグロやサーモンがメインのどんまる丼。北海丼は、数の子、生ホタテ、イクラ、ウニ……など北の味覚が勢揃い。定番メニューだけに、ほとんどの店が揃えているが、具材が異なることもあるので注意。
【すし銚子丸】原価率未公表
●お得なメニューは本まぐろ上赤身300円(税別)
本まぐろ大とろ580円、中とろ420円と並ぶ看板メニュー(いずれも2貫)。高値で取引される国産の天然マグロがお目見えすることも。100円均一ではない「グルメ回転寿司」に位置づけられ、値段もなかなかだが、鮮度や風味は別次元だ。
(週刊FLASH 2018年5月22日号)