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トルコの少数民族「クルド人」の若い女性が、東京入国管理局の施設に不当に収容されているとして、彼女の解放をうったえる抗議行動が3月7日夜、東京・JR渋谷駅前でおこなわれた。SNS上の呼びかけで集まった約50人が「入国管理局は人権を守れ」などと書かれたプラカードを掲げた。

収容されているのは、メルバン・ドゥールスンさん(22)。彼女の両親は2001年、トルコで迫害されたとして日本に逃れてきた。メルバンさんも翌年、6歳で来日。以来ずっと日本で過ごしている。ところが、メルバンさんは昨年11月、在留資格がないとして、突然収容された。クルド難民弁護団の弁護士によると、「彼女は何も悪いことをしていない」という。

もともとメルバンさんはパニック障害の持病があり、普段はトルコで販売されている薬品を使っていたが、収容施設ではその使用が認められておらず、発作に苦しんでいる。この日の抗議を呼びかけたハンドルネーム「swep」さん(42)は「私もパニック障害をもっている。薬が適切にもらえず、不自由な状況のおかれていることは、他人事ではない」と話す。

メルバンさんの解放を求めるキャンペーンは、ネット署名サイト「change.org」でも3月6日から立ち上がっている。この署名をはじめた会社員、二見元気さん(33)は「日本は、正規滞在じゃないと、人権がない状況で、犯罪者以下のあつかいを受けている。一般の人にも、おかしいということを知ってもらいたい」と語った。

この日の抗議行動は、拡声器をもつ人以外は無言で立っている「スタンディング」という形式で、特に顔見知りというわけでもないという。抗議行動に賛同するかたちで眺めていた男性は「クルド人はトルコで弾圧されている。自分もいつ、マイノリティとして迫害されるかわからない。身につまされる思いがした」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)