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東京・下北沢の「本屋B&B」で2月25日、「MeToo」問題を考えるトークショーがあった。昨年末、ブログが話題になった女優・石川優実さんらが登壇。自身の被害体験を語った石川さんの後を受けて、ライターの小川たまかさんが「枕営業という言葉はおかしい」と問題提起した。(弁護士ドットコムニュース・園田昌也)

石川さんは「note」でデビューして間もない頃の望まない露出などを告白。記事の中には、飲み会後、テレビ局のプロデューサーにホテルへ連れて行かれたことや、広告代理店の社員を装った男に「仕事を振りたい」と言われ、性的関係を持ってしまう詐欺に遭ったことも綴られていた。

石川さんはこれを「枕営業」と表現。これに対し、小川さんは「枕営業」ではなく、「性接待の強要」であると指摘し、次のように語った。

「枕営業だと、女性が能動的にやったような印象になる。自分から売りにいく女性がいないとは言わないけれど、権力のある人が『売らなきゃどうなるか分かっているだろうな、お前』という状況にして、売らせたものを枕営業と呼ぶのはやめようよって思います」

●権力関係を悪用した相手が悪いに決まっている

石川さんによると、芸能の仕事をする中で性接待の要求は頻繁にあったという。

「『楽して仕事とったんでしょ』とよく言われるけど、当時の自分の気持ちとしては、『セックスすれば仕事もらえるんだ、ラッキー』じゃなくて、『セックスしないと私は仕事がもらえないんだ』と不安だった」

ブログで石川さんは「全て自分のせい」と断った上で告白している。だが、非難されるべきは、仕事がなくなるという恐怖につけ込んで関係を迫った方だ。

権力関係を悪用した性接待の要求は、フリーランスや就活などでもまま見られるという。登壇者の1人で編集者・ライターの三浦ゆえさんは、「応じてしまった人が悪いとか心が弱いということでは絶対にない」と語った。

(弁護士ドットコムニュース)