CBS MarketWatchによると、中国人民銀行の周小川総裁は28日、米FRB（米連邦準備制度理事会）主催のシンポジウムに出席した際、英フィナンシャルタイムズとのインタビューに応じ、中国の人民元切り上げは1回限りの調整ではないと述べ、現行の管理フロート制は、より市場の実勢を反映した制度への移行がし易くなるだろう、と述べた。

　　周総裁は、中国が7月に人民元のドルペッグ制を廃止、複数通貨のバスケットと連動させたことは、過去からの決別を意味すると語った。一方で、同総裁は人民元の変動幅をさらに広げる時期や市場主義をさらに導入する時期についても明言は避けたが、そうした進展が非常に遅くなると考えるのは間違いだ、と述べた。

　　同総裁は、また、中国では人民元改革が必要だということにはコンセンサスがあり、2％の人民元切り上げの影響が各業界・公共部門にどう及んでいるかを見ているところだとした。また、中国は内需主導で経済成長を高めることを優先課題として、調整を進めなければならないと述べた。その上で、同総裁は、為替政策はよりバランスの取れた経済構造を実現する上で、ある程度、貢献するが、為替政策よりも内需主導の政策の方がより重要で、中国は他のアジア各国と、中国が内需主導型の経済成長を目指すよう、連携していく必要がある、と述べた。【了】