「藤原の効果」って専門用語知ってる? 台風がキョドることらしいよ
地球温暖化の影響なのか、人類に対する神の怒りなのかわかりませんが、ここ数年の猛暑やゲリラ豪雨って異常気象の範疇を超えているような気がしてなりません。地球がおかしくなっていることを実感している人も多いことでしょう。数年前に参加した小学校時代の同窓会でも「最近の日本の夏は明らかに子供の頃の夏とは違う」「熱中症なんて言葉いつから出来た」みたいな話が酒の肴になってたっけ。台風もかなりの頻度で日本列島に上陸しているような。
ウェザーニュースによると、7月21日に台風5号(ノルー)と台風6号(クラー)が太平洋上に発生しました。22日には南シナ海で台風7号(ロウキー)が発生。翌23日に、台風7号は熱帯低気圧になりました。同じく23日、南シナ海で台風8号(ソンカー)が発生。台風5号、6号、8号のトリプル台風に。25日には、台風6号と8号は熱帯低気圧になりました。しかし、26日に今度はフィリピンの東で台風9号(ネサット)が発生しました。現在、台風5号が日本列島に接近してきている模様。これだけ次から次へと台風が出現するとは、もはや”夏の恒例台風祭り”みたいな状態ですね。
ゲリラ豪雨、台風、竜巻、雷に注意しなくてはと思い、ちょっと調べてみたら台風に関連した記事やツイートに「藤原の効果」とか「Fujiwhara Effect」という専門用語が目につきました。なんのこっちゃ、「藤原の効果」って?
台風ラッシュの7月 藤原の効果で進路予想が難しい台風5号が接近中 [リンク]
Typhoon Noru, the Western Pacific’s First of 2017, Begins Weird Fujiwhara Effect With Tropical Storm Kulap [リンク]
「藤原の効果」というくらいなんだから藤原さんが関係しているんだろうけど、藤原さんって誰? のりかさんじゃないだろうし、芸人さんでもないだろうな。ということで、一段深く調べてみました。
「藤原の効果」という専門用語は、昭和16年に第5代中央気象台長に就任した藤原咲平氏が名付け親です。気象庁によると、「藤原の効果」は「2つ以上の台風が接近して存在する場合に、それらが互いの進路に影響を及ぼすこと。その結果、相対的に低気圧性の回転運動をするなど、特徴的な動きをする」という定義付けがされています。また、「台風は他の台風以外にも気圧の谷や高気圧、偏西風などの影響も受けること、個々の事例については相互作用の程度を明確に示せないことなどから、解説には用いない」ということです。要は台風の動きが全く読めない糸の切れたタコ状態になることなのだと理解しました。もっと簡単に言うと、台風がキョドるということなのでしょう。なるほど、道理でテレビの天気予報やニュースで気象予報士の口から「藤原の効果」という用語を聞かないわけです。
「藤原の効果」は、勢力が弱い台風が、勢力の強い台風に吸収されてしまう“相寄り型”、片方の台風が、もう片方の台風の回りを動く“指向型”、片方の台風が移動すると、その後ろをもう片方の台風が追いかける“追従型”、東側の台風が北上し、その後西側の台風が北上していく“時間待ち型”、2つの台風が並行して移動する“同行型”、東側の台風は加速して北東へ移動、西側の台風は西へ移動する“離反型”の6つのパターンに分類されるそうです。
“藤原の効果”で台風がキョドった場合、予測が難しいゆえに気象予報士の腕のみせどころとなるのか、それとも気象予報士泣かせになってしまうのかは、筆者も天気予報並みに予測が難しいところです。できることと言えば、最悪の事態を想定した準備くらいでしょうか。台風5号と9号が猛烈な勢力に台風にならないように、もしなってしまっても日本列島をかすめる程度でスルーしてくれるように、と祈るばかりです。集中豪雨とかゲリラ豪雨とか、もはや人ごとじゃないし。
※画像:気象庁ホームページより引用
http://www.jma.go.jp/jp/gms/
http://www.jma.go.jp/jp/typh/
※ソース:
https://news.yahoo.co.jp/byline/nyomurayo/20170726-00073705/
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK2301L_T21C13A0000000?channel=DF130120166128&style=1
―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: 6PAC) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか