週刊せり高校野球『知れば知るほど面白い!ユニフォームに込められた伝統』

写真拡大

 皆さん、こんにちは!『バトルスタディーズ』×高校野球ドットコム「強い者にはワケがあるキャンペーン」公式レポーターの芹 玲那です。

 いよいよ夏の予選の抽選会も始まり、ドキドキとワクワクの気持ちを募らせている方も多いのではないでしょうか!この週刊せり高校野球でも、夏に向けて更に高校野球観戦が楽しみになるような情報をお届けしていけたらと思っています。

 さて、先週は“似ているユニフォーム対決”についてご紹介しましたが、今週も引き続きユニフォームにまつわるお話をお届けします!

ユニフォームに込められた伝統、想い

バトルスタディーズ4巻第37話より

高校野球のユニフォーム。球児たちにとってやはり特別なものですよね。ユニフォームには学校や野球部の想いであったり、応援する人たちであったり、たくさんの方の気持ちが詰まっていると思います。そんな伝統や想いを背負いながらユニフォームを着て、そのユニフォームを時に泥だらけにしながら奮闘する球児たちを観る、これもまた高校野球の醍醐味ではないでしょうか。

『バトルスタディーズ』の作中でも、4巻第37話でユニフォームと背番号を貰い、一喜一憂するシーン。そして、次話で伝統のDL学園のエースナンバーのプレッシャーと葛藤するシーンが描かれているのですが、このシーンがとても印象的だったんです。

名門DL学園のユニフォームを手に喜びを噛みしめる狩野、ずっとエースナンバーを背負ってきた中で背番号18を前に涙する檜、エースナンバーに重圧を感じる阿比留――。連載100回記念対談の時に、なきぼくろ先生にこのシーンの事をお伺いすると、PL学園時代の実体験、悔しさがこのシーンに散りばめられていると仰っていました。このお話を聞いて、こんなにも高校球児にとって大きなものであるユニフォームや背番号。もっとちゃんと見ていきたいと、毎大会選手名簿で背番号をチェックしたり、ユニフォームに纏わる話も知りたいと思うようになったんです。

観戦時にはユニフォームを細部までチェックせよ!左:2010年以降のユニフォーム 右:以前のユニフォーム(浦和学院)

そして、このユニフォームのお話。知れば知るほど面白いんです!デザインの中に甲子園出場が刻まれていたり、ユニフォーム新調した理由など、興味深い話ばかり。例えば今春のセンバツ出場校で見ていくと、報徳学園のストッキング。このストッキングのラインには甲子園優勝回数が刻まれており、紫紺の2本のラインは春優勝、深紅のラインは夏優勝を示しているそうです。

ほかにも高田商など甲子園出場回数をラインに刻んでいる学校を多くあるのです。選手たちにとって、自分たちも甲子園に行きたい、このラインを刻みたいという想いも強くなるのではないでしょうか。ラインの変化をいち早く球場でチェックするのもまた面白いと思います!

また、広陵、浦和学院といった伝統校も「新たな伝統を作ろう」とこれまで受け継がれてきたユニフォームを一新しています。伝統あるユニフォームを新調するというのはなかなか大変なことだと思います。浦和学院の森監督は、ユニフォームを変える際、全員で胴上げし、創始者である野本 喜一郎前監督の墓前に報告、奉納までされたそうです。現デザインとなった2010年から浦和学院は甲子園での勝率が上がり、広陵も一新した2007年の夏の甲子園準優勝という成績を残し、両校とも今でも伝統校の名に恥じぬ活躍を見せていますよね!

“伝統のユニフォームを守る”ことも“ユニフォームを新しくする”ことも、どちらも決意の表れであると私は思います。伝統を紡いでいくこと――、新たな伝統を作っていくこと――。

ユニフォームの楽しみ方は沢山あります!球児や高校野球ファンが憧れる、存在感のある強豪校のユニフォーム、カラーやデザインが気に入ったユニフォーム、ローマ字や漢字表記、はたまたプロ野球や大学・社会人野球チームのデザインをモチーフにしたユニフォーム。

是非お気に入りのユニフォームを見つけて、そのユニフォームにはどんな思いが込められているのか、これまでどんな伝統を築き、どんな伝統を築き上げていくのか、チェックしてみてはいかがでしょうか。きっと応援したいという気持ちがグッと高まると思います!

この“ユニフォームで楽しむ高校野球”は研究を始めたばかり。これからもっともっと調べて、皆さまへ高校野球の楽しみ方のひとつとしてお伝えしていけたらと思っています。皆さまのオススメの高校野球の楽しみ方も是非教えて頂きたいです!

それでは、また次週お会いしましょう。今週もご拝読ありがとうございました!

(文=芹 玲那)

オススメ!2017年度春季大会特設サイト