本日大阪抽選会!高校野球ドットコム座談会 「2017年夏の展望を語り尽くす!!」大阪編

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いよいよ本日抽選!

 本日、第99回大阪大会の組み合わせ抽選会を行われる。今回は、副編集長・河嶋 宗一がMCとなって、近畿地区を主に取材する松倉 雄太さんと、高校野球レポーター・芹さんをお招きし、大阪の高校野球を語りつくす!

公式戦16連勝で夏に臨む大阪桐蔭

河嶋:松倉さん、芹さん宜しくお願いします。今回は、近畿でも最も注目度が高い大阪府を語っていただきます。宜しくお願いします。今年、大阪の躍進はすごいですね。

松倉:やっぱり選抜優勝校、準優勝校がいますからね...。史上初の大阪決戦なんて生きているうちに、二度とないのかと思いました。

芹:私も決勝を見に行ったんですけど、順延になった時、土曜日に決勝になった時、喜ぶ声が非常に多かったんです。あと順延になった日でしか見られない方々は、残念な表情を浮かべておりまして、めちゃくちゃ注目度が高い試合でしたね。

松倉:大阪だけではなく、東京都も、早稲田実業、日大三と二チームが出場していましたが、普通そうならないですよね。でも今回は大阪桐蔭、履正社が勝ち上がってこの対決が実現した時、大阪高野連の理事長も感慨深そうでした。

 これはなかなか実現しないことで、夏では10年に一度だけ大阪が2校出られますけど、その可能性はかなり低く、夏も再抽選で決勝戦の前までに当たる可能性がありまして、なかなか当たりようがないカードなんですよね。

芹:私も決勝ボールを買っちゃいましたよ!もうゲットできないですからね!

河嶋:そんな大阪桐蔭ですが、近畿大会も優勝しました。この夏も優勝候補として期待がかかります。

先の近畿大会でも優勝を果たした大阪桐蔭

松倉:これで大阪桐蔭が公式戦16連勝で夏に挑むことになります。ただ西谷浩一監督は、選抜決勝インタビューやその後の公式戦の取材後でも、常々報道陣に話していますが、大阪には履正社を含めて、良いチームがたくさんあると。確かに今年の大阪はその言葉が相応しいぐらい、力のあるチームがあり、ちょっと大阪やばいかもと思わせるほどです。そのワクワク感は取材をしていても感じますね。今は大阪桐蔭と履正社の二強といわれるんですけど、そうではないと。大阪の中で、10校は甲子園に出場しても勝てるチームがあります。

河嶋:そうなんですね。まずは大阪の学校を1つ1つ振り返っていきたいと思いますが、履正社は春の大阪大会5回戦で負けましたけど、やっぱりしっかりと作り上げていきそうな予感がします。

松倉:投手の竹田 祐君が体調の回復を優先して登板しなかったのですが、控えに3年生の松井 百代君、田中 雷大君が中心に投げて、岡田龍生(たつお)監督と同姓同名の岡田龍生(りゅうい)投手がデビューしていて、岡田監督も期待しています。原稿書くときはフリガナをつけてくださいと(笑) 

 新戦力も出てきたけど、やはり安田 尚憲君、若林 将平君を中心とした打線は強力ですし、選抜では大阪桐蔭に勝てなかった悔しさを持っていますからね。春の大阪大会準決勝で対戦する可能性がありますが、当たらなかったところがどう出るのか注目をしています。その履正社を破った東海大仰星も相当強いチームです。

東海大仰星、大体大浪商など強豪揃いの今年の大阪府

芹:ずっと負けなしだった履正社を破った東海大仰星はどんなチーム作ってきたのか興味深いです。

松倉:1回戦から東海大仰星は公立の強豪・汎愛と対戦して、9回までリードされている試合を逆転で勝ち上がって5回戦で履正社を破って、そのまま勢いに乗って3位決定戦で上宮太子を破り、近畿大会出場を決めたんですよね。近畿大会では、大体大浪商を破って決勝進出。決勝では大阪桐蔭に敗れたんですけど、非常に強くなったチームですね。

河嶋:東海大仰星のカギを握る選手は誰なんでしょうか?

松倉:正捕手で主将の津沢大星君ですね。去年からレギュラーとして出ている津澤君は、言葉は難しいのですが、味のあるリードができます。性格も良いですし、楽しみな選手です。

 春では背番号1の笹沼歩君(2年)、背番号11の河内大地君(2年)、そして3年生の玉谷亮輔君をうまくリードいました。

 河地君は昨秋から投げていましたが、この春から長いイニングを投げられるまでに成長。近畿大会では大体大浪商を完封したことでバリエーションは広がりましたし、笹沼君は決勝戦で打たれてしまいましたが、河地君をライバル視していますし、秋は背番号1だったが、玉谷君も控えています。

 また近畿大会では、ブラスバンドをやっていました。まったく雰囲気が違いますと。監督も、選手もこの雰囲気は味わえないと語っていまして、この雰囲気を味わうには甲子園にいくしかないと決めたようですね。

河嶋:そうなんですね。では春準優勝の大体大浪商はいかがでしょうか。

宮本 大勢(大体大浪商)

松倉:やはりエースの宮本 大勢君はもちろんですが、宮本と同じく左腕の田村が成長してきました。課題は打線ですが、投手がしっかりしているので、失点が少ないチームです。宮本君は秋に履正社を敗れた悔しさを糧に取り組んできて、腰痛に苦しんだ時期もありましたが、復活しました。まだ分かりませんが、上のステージを目指せる投手でありますね。

河嶋:上宮太子も強いチームですよね。

松倉:森田 輝君という素晴らしい投手がいて、秋は履正社に勝って優勝をしているチームですね。近畿大会でも、1勝していて、ベスト8まで進出していて、十分選抜に出られるチャンスがあったんですね。

しかし同じく近畿大会に出場した大阪桐蔭、履正社がそれを上回るベスト4以上に入りまして...。 選抜には一般枠で3校は出られないという ルールがあって、出場できなかった悔しい思いをしたわけですよね。

興国、近大附など浮上を狙う強豪校たち

河嶋:ベスト8、16に敗れたチームの中でもよいチームは多いですよね。

松倉:公立、私学問わず良い学校が多いです。まずは近大附は2年生左腕の大石晨慈君に注目です。彼も切れの良い投手で、報徳学園にいた主島 大虎君(現・Honda鈴鹿)を思い出させる投手で、けん制球がうまい投手で、けん制で刺しますよね。そして3年生の千代 七世君も良い投手ですし、1年生にも良い投手がいますので楽しみなチームです。

 上宮には右のアンダースロー、人見健太君、左の牧大地君と2人の好投手がいます。人見君は今年の大阪桐蔭戦で好投、そして牧君は去年、サヨナラ負けを喫しましたが、大阪桐蔭相手に好投を見せており、楽しみな投手です。

河嶋:ほかにも関西創価、大阪学芸がありますが、なかでも注目なのが興國です。

松倉:春の大会でブレイクしたチームですね。監督の田中先生は法政大で助監督を務めた経験がある方で、今年から智辯和歌山で部長をしていた喜多隆志さんが興國の部長して指導。そして元阪神の清原さんもいて、スタッフも充実しています。部員数も多いチームですね。

芹:確か興國は大きくニュースになった選手がいますよね?

中野 翔哉(興国)

松倉:そうです。4番の中野 翔哉君ですが、4回戦まで毎試合ホームランを打って5本塁打!そのうち満塁本塁打が2本!草島校長が「興国の清宮」でお願いしますと(笑)

 それもまたニュースになったんですけど、指導者が期待している選手ですね。最後5回戦では本塁打を打てなかったですけど、舞洲の最深部まで飛ばし、フェンス直撃の三塁打でした。普通の球場だったら入っていましたし、当たれば飛ぶ選手です。またエースの植田 健人君は注目ですね。また田中監督は春、怪我出られなかった主力選手や4番候補もいるようで、夏には選手たちも復帰できそうなので、春には出場できなかった選手も注目していただきたいですね。

今年の大阪は公立校の戦いぶりも見逃せない!

河嶋:大会を盛り上げるには公立校の存在も見逃せません。

牧野 斗威(北野)

松倉:桜宮、汎愛だけではなく、ブレイクしたチームが多くあります。大阪の公立校は、今年は強いという評判です。まずは秋ベスト8の北野ですね。エースの牧野 斗威君は大阪代表として台湾遠征もしている投手です。北野は大阪では一番の進学校で、牧野君は京大志望だといいます。この春、肘を痛めていたこともあり、苦しい時期を送ってきていますが、ここにきて復活してきているので、楽しみですね。

 またベスト16の槻の木も良いチームで、良い野球をします。点を取ったら、点を取ったら、ベンチにいるマネージャーさんも喜んで雰囲気の良いチームですね。その中で、背番号8で主将の藤原 大樹君は癖がある投手で、球速は120キロ台なんですが、ちょっと打ちにくいボールを投げるので、楽しみな投手ですね。

河嶋:こうして聞くと、大阪の魅力的な公立校が多いですね。

松倉:ほかにも、池田高校、吹田高校など良い投手がいますよね。今年は公立校に良い選手が多いですよ。それも含めて、楽しみですね。

芹:大阪の学校を見ていると、それぞれの学校が独自のチームカラーを持っていて、それぞれの強さが垣間見えて、とても面白く感じます!

河嶋:大阪はシードがないので1回戦から抽選のスタートとなります。

松倉:大阪は最初の組み合わせでは決勝が決まりません。途中で、何度か組合せ抽選があります。西谷監督もおっしゃっていたことですが、「先を見て戦えない、決勝まで逆算してチームを作れない」と、普通ならば、決勝戦までの組み合わせが決まっているので、自分が戦う相手を想定してチーム作り、戦略を組み立てるものですが、大阪はそれができない。そこが大阪の難しさの1つかなと思いますね。

河嶋:そういう意味を含めて、大阪の抽選会は楽しみですね!

松倉:大阪は7月8日に開幕します。予定通りいけば、7月30日が決勝。予定通りに進めばの話になりますが、西東京、宮城も決勝戦を迎えます。大変な日になりますね!

河嶋:本当に大阪の抽選会が見逃せません!松倉さん、芹さんありがとうございました!

(文・構成:河嶋 宗一)