先制点をアシストするなどこの日も攻撃を牽引した中村。新戦力の家長らとの連係に関しても一定の評価を下した。(C)SOCCER DIGEST

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[ACL1節]川崎 1-1 水原/2月22日/等々力

【ACL 川崎1-1水原 PHOTO】小林のゴールで先制するも、オウンゴールでドロー決着

 ACLのグループステージ第1戦、水原三星戦をホームで迎えた川崎は、10分に先制点を奪う上々の立ち上がりも、前半途中にオウンゴールで失点すると、最後まで勝ち越し点は奪えず1-1のドローで試合を終えた。
 
 ただ、絶妙なクロスで小林の先制点をアシストした中村は「そこまでネガティブになることはない」と試合を振り返る。
 
 中村が言及するのは、エースの大久保が抜け、新たに家長、阿部らが加わった攻撃面に関してだ。
 
「バイタルのところに俺が入ったり、アキ(家長)が入ったり、話しながらやっていた。ただ、そこで失う回数がまだ多かった。修正はしていく。アキはこういうプレーをするんだ、阿部ちゃんはこういうプレーをするんだと、確認しながら始動からやってきたが、まだ完璧には掴めていない。そこは彼らも同じはずで、フロンターレのペースはこうなんだと感じながらやっていると思う。
 
 ひとつのボールに対してイメージの共有が遅れる場面はあった。そのイメージの共有は、うちの攻撃の肝なので、感じないとなかなか入ってこれない。ただ、そこを感じられれば、ゴールまで入っていける。良かったところはあった。前から行って、引っ掛けてショートカウンターというのは何度かあった。そういう形は今シーズン狙いとしているので、良いところは出ていた」
 
 確かに先制点の場面はダブルボランチのE・ネットと大島が高い位置からプレッシャーをかけ、奪ったボールを大島が中村へとつなぎ、小林のゴールが生まれた。
 
 家長、阿部ら新加入選手が絡んだ攻撃も、特に前半は良い形が何度も見られた。
 
 それだけに中村も「いきなり満点解答は難しい」とし、一定の評価を下す。
 
 ただ、「かといって悠長に言ってられないし、選手として多少のジレンマは感じているが、進んでいくしかない」と、少なからず危機感を持っているのも事実だ。
 
 攻撃的なスタイルを標榜する川崎にとって、どれだけ高い得点力を発揮できるかはチームの生命線となる。リーグ開幕戦(大宮戦、2月25日)、ACLグループステージ第2戦(イースタンSC戦、3月1日)と、試合は続くがよりチームとして進化を果たせるかに、注目だ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)