長谷川豊氏「立候補」に注がれる視線 「虚構新聞かと思った」
フリーアナウンサーの長谷川豊氏(41)が2017年2月6日に記者会見し、日本維新の会千葉1区の支部長として次期衆院選に出馬することを表明した。
会見冒頭では「何度お伝えして何度頭を下げても足りることはないと思っているので、お詫びさせていただきたいと思います」として、昨年の人工透析患者をめぐるブログ騒動について謝罪した。
ブログ「僕の100%の誤りだった」
長谷川さんは16年9月、現行の健康保険制度を問題視する中で、自身のブログに「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」と題した記事(のちにタイトル変更)を掲載。多くの批判を呼び、レギュラー番組をすべて降板した。
それから約5か月。千葉県庁で記者会見を開いた長谷川氏は、冒頭でブログ炎上騒動について触れた。冷静になってからブログを読み返したところ、
「本当に自分が書いたのだろうかと疑いたくなるような過激な言葉、あまりにも一方的な文言が並んでいた」
といい、「僕の100%の誤りだった」と謝罪した。
その後、医療費問題に対する現在の考えについて聞かれると、自動車免許のような減点システムを医療にも取り入れるべきだと提案。「一番大切なのは、病気になる人が減ること」と主張した。
一方で、個々の病気の原因が「自業自得」かどうかを判断するのは困難だという記者からの指摘に対しては、
「自業自得の線引きをするのが政治です。どっかで人の金を使っている以上は線引きしなきゃだめです!」
ときっぱり反論した。
会見に同席した馬場伸幸幹事長は「あの発信は言語道断だが、本人の話を聞くと本音はそうではなく、表現が不適切だったという事がよくわかった。人間なので失敗はある。謝罪して反省すれば、再チャレンジの機会は与えられるべきだ」と話した。
千葉市長はツイッターで人工透析患者に言及
なお、長谷川さんはこれまでブログで安倍政権支持を表明してきたが、会見では「安倍政権と地方自民党は分けて考えたほうがいいという持論がある」と説明。その上で「維新には実行力がある。自民と違い、献金を貰わず、なれ合いをしない。維新の貫き方は胸をすく思いがします」と語った。
長谷川氏の出馬意向については前日5日に一部メディアで報じられ、インターネット上でも注目を集めていた。ただ、馬場幹事長が「賛否の反応がある」という通り、ツイッター等では批判的な声も目立っている。
病児保育などを手掛けるNPO「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹さんは「虚構新聞かと思ったら、本当っぽい。維新の会が、ここまで終わってるとは...」とツイートした。
6日朝には千葉市の熊谷俊人市長もツイッターで、「長谷川さん、立候補されるのですね。驚きました。比例重複でしょうから、南関東ブロックの有権者全員が当落に関係しますね。地域と国政を結ぶビジョンがどのようなものか注視します」とコメント。さらに、
「ちなみに、千葉市は人工透析リスクの高い方々へ保健師の訪問指導を実施する等、健康支援と医療費節減に努めています」
と、ブログ騒動を意識した皮肉ともとれる一文を付け加えた。
衆院千葉1区は、現職の民進党・田嶋要氏と自民党・門山宏哲氏が立候補する見通し。共産党も新人・大野隆氏の擁立を予定している。長谷川氏は約20年千葉に住んでおり、会見では千葉の魅力を熱弁する場面もあった。有権者は長谷川氏をどう見るか。投票行動に注目が集まる。