震災で一変した「移住者支援」 空家は深刻な課題
[OH!バンデス-宮城テレビ]2016年11月28日の放送では、震災の影響で一度は頓挫しかけた移住者支援の取り組みに再び挑み始めた丸森町筆甫(ひっぽ)地区の住民について放送されました。
「ここから筆甫です」と書かれた看板(Haruhiko Okumuraさん撮影、flickrより)
宮城県の最南端、福島県と接する位置にある丸森町筆甫地区には、およそ240世帯が暮らしていますが、空家の数は60件以上もありその対策は深刻な課題となっています。
田舎暮らしの体験施設をつくる
筆甫で生まれ育った庄司一郎さん(64)は、NPO法人「ひっぽUIターンネット」を13年前に立ち上げ、田舎暮らしに興味のある人たちの移住を支援するために活動しています。今までに空家を紹介するなど、13世帯を地区に受け入れてきました。
番組で庄司さんは、「毎月2〜3件、多い時には5〜6件くらいの問い合わせがずっとあったが、震災後それがまるっきり消えてしまった。原発・放射能で何も出来なくなったのが現実です」と語ります。震災後、移住者の3世帯が地区を離れてしまいました。
庄司さんは仲間とともに、空家となって13年経過した住宅を改修して田舎暮らしの体験施設として整備する、その名も「KAKURE-GA(かくれが)」プロジェクトを開始しました。
移住希望者に実際に数日間滞在してもらい、田舎暮らしの素晴らしさと大変さを体験してもらうのが狙いです。庄司さんをはじめとした筆甫地区の住民たちは、震災の影響で一度は挫折しかけた移住者支援の取り組みに再度挑み始めました。
田舎暮らし体験施設「KAKURE-GA」は年内に完成予定です。(ライター:長沢あきこ)