熊本地震で被災した熊本市のアパレル店11店による、ツイッターを活用したユニークな観光キャンペーン「#熊本おしゃれ散歩」が話題となっている。熊本は実はおしゃれ度の高い街。その中でも個性的でこだわりを持ったセレクトショップ、古着屋、雑貨店、和装店などが、同じハッシュタグを付けて、厳選した商品情報を発信している。

対象は、主に九州地方に住むファッションに関心のあるツイッター利用者数百万人だ。参加店舗のツイートを見て、店を訪れ、商品を購入すると、割引やグッズのプレゼントがあるという。期間は、2016年11月14日から12月11日まで。

ツイッターで「#熊本おしゃれ散歩」で検索してみよう。そこにはさまざまな参加店の情報がずらりと並び、まるで仮想商店街だ。買い物を楽しんだお客さんたちの感想も投稿されている。


ツイッター「#熊本おしゃれ散歩」検索画面より

「熊本の復興にも、何か役立てることはないか」

この「#熊本おしゃれ散歩」キャンペーンを企画したのは、ツイッタージャパン、地元のデザイナー集団BRIDGE KUMAMOTO、そしてウェブマーケティング業の株式会社クマベイスである。

そのうちの一人、クマベイスの田中森士社長に、電話で話を聞くことができた。

「そもそものきっかけは、今年の9月ころ。ツイッタージャパンから声がかかったことです」と田中社長。熊本地震ではツイッターなどSNSが、人命救助や救援物資分配などに役立った。「熊本の復興にも、何か役立てることはないか」と相談されたという。

そこで田中社長はBRIDGE KUMAMOTOと協力して、「#熊本おしゃれ散歩」を立案した。「震災後何カ月も営業ができなかったアパレル店を支援しようと考えました」と田中社長は語る。SNSに不慣れな店主たちのサポートはツイッター社が行った。

キャンペーンがスタートしたが、最初の1週間ほどは、お客の姿もまばらだった。ところが2週間を経過したころから、俄然賑わってきたという。「県内はもちろん、福岡県や鹿児島県など九州地方からのお客さんが多いのですが、中には神戸からツイッターを見て来られた方もいましたよ」。

「熊本にはこだわりを持つ個人事業主が多いんです。店に行って、彼らのうんちくを聞くだけでも楽しいですよ」と田中社長。「12月11日までに、ぜひ熊本を訪ねて、おしゃれな買い物散歩を楽しんでください」とのこと。