6日、埼玉スタジアム2002では、ロシアW杯アジア最終予選のイラク戦が行われ、日本代表は後半アディショナルタイムに山口蛍が決勝ゴール。1勝1敗で迎える背水の陣となった一戦は、劇的な勝利でW杯出場に望みを繋いだ。

すると同夜、テレビ朝日「報道ステーション」では、サッカー解説者の中山雅史氏と澤登正朗氏が試合を振り返っている。

まずは前半26分、原口元気の先制ゴールについて。原口の“技ありゴール”のみならず、中央を駆け上がった清武弘嗣のドリブルや岡崎慎司の動きを絶賛した中山氏。「これで相手を振り切ったのが大きいですし、そのまま走ることを止めなかった。ただ原口も止めてない。本田の裏をまわることで相手を振り切ってる」と話すと、岡崎の動きにも「まずニアを狙ったんですけど大きく外に開いた。それによって原口が入ってくるスペースを与えた。長い距離を2人が走って、その前の動きで相手を崩した」と解説した。

また、失点までの時間帯を「1-0で安心感があるのか、リスクを冒さないなっていう感じがした」と語った澤登氏。後半15分にはイラクに同点ゴールを許したが、この場面については、中山氏が「(セットプレーから)打った瞬間にもっと(ゴールを決めたサード・アブドゥルアミールに)体を寄せて入れば」と悔やみ、澤登氏も「イラクの選手も酒井高徳に一回ぶつかりながらスペースを作ってる。そのスペースを作りながらジャンプされているのでなかなか勝てなかった」と所感を述べた。

それでも、引き分けが濃厚となったアディショナルタイム、フリーキックから相手DFがクリアしたボールを山口がミドルシュートで相手ゴールに突き刺した。

「吉田があそこまで上がって、セットプレーを取ったというのも大きかった」と澤登氏。中山氏も「本来吉田は真ん中に構えてロングボールに対する落とし役っていうところで入ったんですけど、ちょっとボールがずれた。粘り強くボールをキープしたことで生まれたフリーキック」と吉田麻也の働きを称えた。

さらに番組の最後には、ハリルホジッチ監督の采配について感想を求められた2人。中山氏が「(途中で)入った選手が当たってましたから采配には間違いなかった。ただ代わりに入った選手が“自分が何とかしなきゃいけない”という気持ちでグラウンドに入ったのが一番」とすると、澤登氏は「監督自身もこれで自信がついたのでは」と述べている。