16日、エディオンアリーナ大阪で開催されたプロボクシング・WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチは、2階級で世界王座を獲得した長谷川穂積が王者ウーゴ・ルイスに挑戦。試合は一進一退の攻防となったが、9ラウンド終了時、長谷川がTKO勝利を挙げ、3階級制覇を成し遂げた。

すると翌17日、日本テレビ「Going! Sports&News」には「5年ぶり世界王者 引退覚悟・・・世界戦舞台ウラ」と題し、長谷川穂積がゲスト出演。壮絶な死闘となった試合中に下した冷静な判断を明かした。

番組MC・上田晋也から「奥様としては(9ラウンドの)打ち合いは気が気じゃなかったでしょうね」と訊かれると、長谷川は「打ち合いは試合前から“止めて止めて”ってずっと言ってた。もちろん自分も打ち合いする気はなかったんで“しないしない”って言ってたんですけど。勝負所っていうか“ここはいかなあかん”というところはどうしても避けれない。あそこは仕方なかった」と告白。試合後、妻・泰子さんは「何回も何回も“終わってよかった”」と話していたという。

そんな9ラウンドに起こった壮絶な打ち合いについて、「最初はガードを固めてパンチを貰ってるんですけど、ウーゴ・ルイス選手は横からの振りでまとめる攻撃しかしてこなかったので、これは合わせれるなと思って少しずつ(パンチを)合わせていきました」と明かした長谷川。危険な打ち合いに応じながらも、その判断通り、見事に打ち勝ってルイスを後退させた。

「そんな冷静さがあったんですか?」と驚く上田に、「ありました、ありました」と笑顔で答えた長谷川は、「ロープ際で合わせるのは得意というか好きなんで、結構冷静に。で、少しずつ同じタイミングで打っていって、あとは左のタイミングを少しずらして自分だけが当たる打ち方(をした)」と説明、周囲を驚かせた。

また新王者は、試合の約1ヵ月半ほど前に起こった左手親指の骨折にも言及。「ずっと不安でした。でもこれで負けるなって一回思っちゃうと勝てるイメージがわかないと思ったので、これは大丈夫だと。結果、勝った時から見て、これは“絶対いいことなんや”って毎日毎日(自分に)言い聞かせた」と語った。