オリンピックGCは今後10年間パブリックコースとして運営される(撮影:福田文平)

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リオデジャネイロ五輪ゴルフ男子 事前情報◇10日◇オリンピックゴルフコース(7,128ヤード・パー71)>
 11日(木)に開幕する「リオデジャネイロ五輪ゴルフ男子」。ジカ熱や治安への懸念から男子トッププロを中心に辞退者が相次ぐなどしたが、112年ぶりとなる歴史的な開幕の瞬間へ向けていよいよカウントダウンへ入った。
【関連画像】本コースに隣接されたショートコースの設計図
 だが、現地ブラジルでのゴルフへの注目度は決して高くないと言えるだろう。実際にゴルフをプレーする人口は3万人程度。ブラジルの人口は約2億40万人だから、ブラジルの人々にとっていかにゴルフが一部のエリート階級のものかがわかる。リオ市内にある3つのゴルフコースはすべて会員制で気軽に手が届くものではないという。
 その地でゴルフが五輪競技に復帰した意味の1つとして、南米でのゴルフ振興がある。リオ近郊に新設されたオリンピックGCは今後10年間パブリックコースとして運営されることが決まっており、ブラジルにおいてゴルフをより身近にする重要な役割を担っている。
 そんなコースに設計家ギル・ハンス氏以下の開発チームはゴルフをより身近にする一つの仕掛けを施した。実は五輪用に作られた18ホールに隣接する形で、9ホールのショートコースが設計されているのだ。
 ショートコースはクラブハウス正面から南に出ていく1番から始まり2番で折り返し、3番、4番とクラブハウス方向に戻る。さらにそこからドライビングレンジエリアへ入る5番ホール。6番から8番でドライビングレンジ内にあるターゲットグリーンを使いながらぐるっと回り、9番でクラブハウス南正面にある練習グリーン兼フィニッシンググリーンに戻るというもの。練習場のスペースを巧みに利用してデザインされている。
 チームの意見を集約しながら、そのショートコースのデザインに携わったスコットランド人のベンジャミン・ウォレン氏は「大人や上級者なしで、キッズや初級者にプレーをする機会を与えるコースを作ることをチームで何度も話し合ったんだ」とショートコース設計の意図を語る。今後の運用次第ではリオ市民がゴルフに気軽に触れ合う第一歩となる可能性を秘めたプランと言えそうだ。
 いずれにしてもブラジルでのゴルフ熱の高まりを後押しするのは五輪競技の成功。ブラジルをゴルフで沸かすことが、この地でのゴルフ定着のスタートラインとなることは間違いない。
<ゴルフ情報ALBA.Net>