監督・主演を務めた映画「野火」のブルーレイ＆DVDを発売した、塚本晋也監督がTOKYO FMの番組に生出演。この作品に込めた思いを語りました。

（放送作家の鈴木おさむがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「よんぱち」、5月20日の放送より）

【あらすじ：第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、野戦病院を追い出されて、あてもなくさまよう日本軍兵士の姿を追っていくという内容】

──戦後70年の年に上映された映画「野火」

原作は大岡昇平さんが自身の体験をもとに書いた小説。体験してないと絶対に書けないようなエピソードが沢山入っています。一応、フィクションなんですけどね。

以前は、教科書に入っていたので、けっこう知ってる方は多いですよね。僕は高校生くらいの時に読んで、衝撃を受けて、頭から離れなかったです。

映画は、綺麗な大自然と、人間のドロドロとした部分、その対比を描きたかったんですね。

編集してだいぶ出来上がった頃に、戦争の恐ろしさを描こうと思っていたのに”なにか足りない”と思って、一番乱暴な、脳みそ飛び散ったり……っていうシーンを、付け足したんですね。

ヴェネツィア映画祭で上映した時に、賛否両論分かれて。評論家の方で、「暴力的過ぎる」という人もいれば、「戦争はこういうものだから、これくらい描かないとしょうがないんだ」という人もいて、完全に分かれたんですよ。

いま思えば、（あのシーンは）なければ駄目だったんだろうなと思ってますけどね。



──戦争の実感

僕が生まれたのは戦後から15年で、当時は高度成長期で、ビルがどんどん増えているので、戦争の実感はないんですね。今の若い人達とほとんど変わらないくらい実感がなくて。

自分が戦争体験者の方に、具体的にインタビューとかをして、やっと少し実感が分かってきて……。聞いた話を「野火」の映画の中に注ぎ込んでいって、だいぶ実感していって。作っても、まだ実感しきれないところがあったんですよ。

最終的にだんだんと実感したのは、映画をミニシアターで全国で回して。その時に、皆さん感想が言えないんですね、感想の代わりに身内の話をしてくれるんですけど、それを通して、だんだんイメージが膨らんでいって。この映画で描かれていることは、SFのようにすごい事ですけど、本当に、ただ、あったことです。

映画の中では、ホラーだったり、ゾンビの映画と同じようなイメージのシーンがいっぱいあるんですけど。

皆さんは、”ゾンビでしょ”って思わないで、ついこのあいだ、ほんの70年前に実際にあった事だということを思って見てくれて。それで、皆さんが大きく反応してくれたのが嬉しかったですね。

これからも、非劇場、学校とか、そういうところでもやっていきたいなと、強く思っているんですけどね。

なるべく若い人、中学生以上の人には見ていただきたいなと思っていますね。

僕も「はだしのゲン」とか、子供のときに見てトラウマになりましたから、そういう感じが必要だなと思うんですけどね。

パーソナリティの鈴木おさむが、ゲストの旬な話題を掘り下げるTOKYO FM「よんぱち」。ラジオならではのココだけの話にご期待ください。

2016年5月27日(金)の放送は、ゲストに℃-ute・岡井千聖さん、映画、音楽ジャーナリスト・宇野維正さん、GAKU-MCさんが生登場。ホットな話題をお届けします。

【あわせて読みたい】

★ほんとうに美味しい「紅茶」、飲んでますか？ http://tfm-plus.gsj.mobi/news/EZJTBpB1t3.html?showContents=detail

★あなたの家には畳の部屋はありますか？ http://tfm-plus.gsj.mobi/news/fIQlApipNN.html?showContents=detail

★修羅場でドン引き「私はコレで別れました」 http://tfm-plus.gsj.mobi/news/m8gomXBFtH.html?showContents=detail

＜番組概要＞

番組名：「よんぱち 48 hours 〜WEEKEND MISTER〜」

放送日時 ：毎週金曜13：00〜16：30

パーソナリティ：鈴木おさむ、岡部茉佑

番組Webサイト：http://www.tfm.co.jp/48/

週末の48時間＝よんぱちを充実させる情報満載の生ワイド番組。放送作家、鈴木おさむが旬の情報とゲストを迎えてお送りします。