ボールを追う中村藍子

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◇福岡国際女子テニス◇3日目◇博多の森テニス競技場◇砂入り人工芝

 23日から始まる全仏オープン(ローランギャロス)の本戦出場が決まっている中村藍子(21=フリー)。5月9日時点での世界ランキングは101位で、ITF5万ドルの今大会には第1シードを背負って出場している。1回戦は山本麻友美(島津製作所)を6-1、7-6のストレートで下し、この日の2回戦ではイギリスのエミリー・ウェブリースミスと対戦した。

 中村は、スミスの強烈なフォアと両手バックハンドに苦戦するも、第1セットをタイブレークの末ものにする。続く第2セットは、両者キープで臨んだ第6ゲームに中村のミスからスミスにブレークを許し2−4とリードされる。溜まったストレスを吐き出すかのような中村の「もーー」という絶叫がコートに響き渡るが、「気分転換」というこの感情表現のあと3ゲームを連取し逆転すると、追いすがるスミスを振り切って第2セットも奪取。ストレートで3回戦進出を決めた。

 試合後「危なかったです」と話した中村だが、全仏に向け調子は上がって来ている。年初の全豪に続くグランドスラムでの活躍に期待がかかる。

 また、1回戦で第3シードの久松志保を破った15歳の天才少女森田あゆみは、世界ランク282位のケーシー・デラクア(オーストラリア)と対戦。サーブからの攻撃を課題にゲームに臨んだ森田だったが、サウスポーのデラクアに逆にサーブで揺さぶられ自分のリズムを掴めない。

 第1セットは7-6で取るが、第2セットは3-6で奪い返され、第3セットも0-4とリードを許す。「まくれるような状況ではなかった」という森田だが、相手のダブルフォールトにも助けられ、ここから一気に6ゲームを連取しての逆転勝利。「信じられないような展開でした」とあどけない顔で振り返った。

 「自分の調子が悪くても、お客さんがいるので変な試合は出来ない」と語る15歳プロの森田。全仏ではジュニアに出場し、全豪ジュニアのベスト16位以上を目指す。

◇主な試合結果

○中村藍子 7-6,7-5 エミリー・ウェブリースミス
○森田あゆみ 7-6,3-6,6-4 ケーシー・デラクア