ソフトバンク・工藤公康監督【写真:編集部】

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ロッテに大敗、連日の3被弾に「甘いところに投げている」

「誰も想像してないよ」――ソフトバンクの工藤公康監督は、いつになく険しい顔で会見の定位置に座ると、そうつぶやいた。7日の本拠地ロッテ戦は8-17で大敗。ソフトバンクホークスとなって初の17失点。先発の攝津正をはじめ、バリオス、嘉弥真新也、飯田優也が全員失点。そのうちバリオスを除く3人が被弾した。

「インサイドに投げきれないのは技術がないから。ヒットを打たれるのはしょうがないが、甘いところにいくからホームランになる。見に来てくれたファンの人に申し訳ない気持ちでいっぱい」

 攝津は、2点を先制してもらいながら4回1/3を7失点。開幕から3試合目で未だ勝ち星がない。

「いいところにしっかり投げて打たれているのではなくて、甘いところに投げて打たれている。(今後のことは)こっちも考えるしかない。ピッチングコーチがコンディションの作り方とかを見ているので、話はしてみたい」

打線に応えられない投手陣に「力不足を感じる」

 工藤監督は、開幕から攝津と和田毅が投げる試合で斐紹にマスクをかぶらせている。しかし、斐紹のスタメンマスクの5試合で勝ち星がなく、そのリードにも言及した。

「相手から見てわかりやすい配球になっているのかもしれない。真っ直ぐをファールされたから変化球、変化球を打たれたから真っ直ぐとかね。そうなってはいけないのがキャッチャーなので、リードするということがどういうことなのかも頭に入れていかないと」

 一方の打線は、今季最多の15安打で8点を奪った。

「打線は諦めずにつないで打ってくれている。だからこそピッチャーがしっかり抑えることが大事。そこができないのは力不足を感じます」

 投手陣総崩れの大敗で引き分けをはさみ3連敗。まだ対戦カードが一回りする前に、首位マリーンズとの差は3.5ゲームにまで膨らんだ。

 敗戦後の会見でも「また明日!」や「次は勝つぞ!」と気合を入れ直して監督室に消える工藤監督だが、この日ばかりは硬い表情のまま無言で席を立った。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura