「疲れていると酸っぱく感じるクエン酸ドリンク」などの製品がありますが、体調によって味覚が変わるのは確か。酸っぱいものを甘く感じたり、いつもより塩辛く感じたり。そのメカニズムがわかれば体調をチェックするバロメーターになるんです。

味覚が変わった経験はありますか?

レモンや梅干しなど酸っぱいものがいつもより甘く感じる、逆にいつもより酸っぱく感じる、しょっぱいものが凄く塩辛く感じる、コーヒーがいつもより苦いなど、味覚が変わったな、と感じる経験はありませんか? 一過性のものである場合もあれば、一度変わった味覚がそのまま続くこともあります。これにはさまざまな理由がありますが、体調の変化を教えてくれていることもあるので覚えておくとよいですね。

ナトリウムが不足しているとクエン酸を甘く感じる!

クエン酸ナトリウムが入っているスポーツドリンクなど飲んだ時、喉が渇いていると甘く感じるのに、通常時は少し酸っぱかったり、しょっぱくて美味しくないと感じることが多いもの。これは汗をかいたり水分が不足して体内の塩分(ナトリウム)が薄くなると、体がナトリウムを補給しようとし、本来酸味のあるクエン酸を甘いと認識することで、たくさんのナトリウムが補給できるように脳が指令を出しているのです。そのためナトリウムが十分な時には必要以上に摂らないよう、酸味やしょっぱさを感じて美味しく感じられないようになっているのです。

刺激を強く感じるときは体が弱っている

苦みや酸っぱさは、本来毒のあるものや腐敗したものの味覚とも共通しています。人間の生存本能として、苦いもの、酸っぱいものは体が拒否しようとします。しかし、飲食しても問題ないという経験や旨味や香りといった別の要素が複雑に絡み合って、苦かったり酸っぱくても美味しいと感じるのです。しかし刺激物には違いありませんから、体調が弱っている時には防御本能でより苦く感じたり酸っぱく感じるというわけ。刺激物がいつもより濃く不味く感じる時は、体が刺激物を避けていると思った方が良いでしょう。

体の小さな変化も、実は色々なことを教えてくれています。これからは味覚にも注意してセルフケアに生かしたいですね。


writer:しゃけごはん