台湾「二・二八事件」69年  各地で記念式典  一部では火炎瓶による抗議も

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(台北 28日 中央社)戦後間もない台湾で国民党政権が市民らを武力弾圧した「二・二八事件」から69年を迎えた28日、各地で追悼式などが開催された。二二八国家記念館(台北市)の記念式典に出席した馬英九総統は、事件について、政府は被害者に対して賠償を行うだけでなく、再び同様の事件を起こさないと約束しなければならないと語った。

今回が任期中最後の出席だった馬総統は、69年前に台湾で起きた不幸な事件は、今も社会全体に影響を与え続けているとした上で、今後どのような身分であっても、(事件で傷ついた)台湾社会が調和を取り戻せるよう取り組んでいくと述べた。

5月に総統に就任する民進党・蔡英文主席も同日、台北市の教会で開かれた二・二八事件の追悼礼拝に出席。記者団の取材には応じなかったが、フェイスブック上で、絶え間ない反省などを通してしか、我々は歴史の教訓から学べないとコメントを発表した。

一方、28日朝には国民党本部(台北市)前の広場でバイクに乗った男性が火炎瓶を投げる事件があった。地面の一部が燃えたが、警備員によってすぐさま消し止められた。現場には同党などを非難するビラが残されていたという。

また、東部・宜蘭市の中山公園では同日、園内にある孫文と蒋介石の銅像にペンキで落書きされているのが発見された。孫氏の像には「人殺し」、蒋氏のものには「228の元凶」「台湾のヒトラー」などという文字が書かれていた。中部・苗栗や南部・高雄などでも蒋氏の銅像への落書きが見つかっている。

(劉麗栄、沈如峰/編集:杉野浩司)