福井工大福井vs長野商

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エースにまさかのアクシデント!大量リードから一転・・・

好リリーフの福田翔人(工大福井)

 福井工大福井は6対6で迎えた7回、一死三塁から7番・坂本大貴(2年)が左中間へタイムリー二塁打を放ち勝ち越し。さらに途中出場の8番・吉田有哉(2年)の2点タイムリー二塁打など打線が繋がってこの回4点を挙げた。この後も8回に1点を加えると、7回にセンターから五番手としてマウンドに立った福田翔人(2年)が3イニングを無失点と好投。12年ぶりに秋の北信越大会決勝進出を果たした。

 試合後の大須賀康浩監督はホッと一息ついて疲れた表情を見せた。無理もない。エースの田中 嵐士(2年)が3回の打席時に負傷し、残り6イニングを投手陣総力戦で戦わなくてはいけなくなったからだ。

 3回の田中の打席、大須賀監督はスクイズを命じた。しかし長野商の二番手左腕・中野 太輔(2年)の投じた球は田中の右ヒザに直撃。「避けられなかった。ヒザに力が入らなくなった」と田中はうずくまった。しばらく治療の時間が取られるが出れそうにない。ブルペンの投手陣には「キャッチャーを座らせて」と指示が飛んだ。結局、代打が送られ次の回から継投に入る。しかし「(エースの)田中が投げたら出番があっても後ろの方だと思う」と指揮官が話すように、急いで準備した分の気持ちの焦りが出てしまった。一時は6点あったリードが5回の1イニングだけで長野商に追いつかれた。投手陣は石黒直哉(2年)、氏家拓海(1年)、巽竜馬(2年)と細かく繋ぐ。

 そして7回、センターの福田を「(ベンチ入りで)最後の投手。経験は少ないが肩は強いので勝負をかけた」と3イニングを託す気持ちでマウンドに送った。「監督からはラストに行くので準備をするように言われていました。自分が投手陣で最後というのもわかっていた」という左腕は、代わりっぱなの7回を味方の好守備でピンチを凌ぎ、その裏の反撃に繋げた。

 エースのまさかのアクシデントで、大量リードから一転して苦しい展開を何とかものにした福井工大福井。決勝でのエースの登板は微妙だが、福井大会決勝で完敗したライバル・敦賀気比を相手に総力戦で勝ちに行く。

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