人材業界大手のリクルートホールディングスとテンプホールディングスの決算が出そろった。両社とも景気回復による人材需要の増加が追い風となり、売上の拡大が続いている。

 人材業界最大手のリクルートホールディングス(東京・千代田、峰岸真澄社長)の15年3月期の連結売上高は1兆2999億円となり、前期比9.1%の増収となった。

 連結EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は1914億円(前期比6.0%増)で、前期実績および期初見通しを伸び率で下回ったものの3期連続の増益となっている。

 人材事業関連の主な内訳は、人材メディア事業(「リクナビ」「リクナビNEXT」「リクルートエージェント」等)で売上高3027億円(前期比13.4%増)、EBITDA780億円(同6.0%増)となり、売上・EBITDAともの伸び率が20%超だった前年から一転して緩やかな増加となった。人材派遣事業は売上高6752億円(同10.2%増)、EBITDA407億円(同17.2%増)で順調な伸びが続いている。

 人材メディアでは、国内人材募集領域が売上高2398億円で前期比5.9%増、海外人材募集領域では求人検索サイトを運営する米Indeed社の売上増が大きく貢献して売上高461億円、同85.1%増となり躍進した。

 人材派遣事業(リクルートスタッフィング、スタッフサービス、CSI、Staffmark、AdvantageResourcing等)においても、国内派遣事業が売上高3895億円、前期比8.6%増、海外派遣事業でも円安による為替の影響なども重なり売上高2856億円、同12.5%増と業績を伸ばした。
 
 リクルートは重点戦略・施策として、2020年に人材領域グローバルNo.1「雇用決定者数No.1」、2030年に人材・販促領域グローバルNo.1「サービス利用者数No.1」を掲げ、国内事業の持続的な成長と海外事業のさらなる成長で拡大を図る計画だ。

 一方、業界2位のテンプホールディングス(東京・渋谷、水田正道社長)も全セグメントにおいて業績が伸長した。15年3月期連結の売上高は4010億円(前期比10.6%増)、EBITDA294億円(同18.1%増)、営業利益234億円(同26.2%増)の伸びとなった。

 主要なセグメント別の売上高は、人材派遣事業2761億円、キャリア事業335億円、エンジニアリング事業238億円、ITアウトーシング事業221億円、メディア事業202億円、BPO事業201億円などとなっている。

 テンプでは中期経営計画で2017年3月期の目標を、売上高5000億円、EBITDA400億円(EBITDAマージン8.0%)、営業利益300億円(営業利益率6.0%)としている。インテリジェンスをはじめとするグループ会社とのシナジー強化を図るとともに、今年3月のパナソニックエクセルスタッフ買収に続いて販売・営業分野のP&Pホールディングスの公開買い付けを開始するなど、引き続き積極的なM&Aなどで事業を拡大する考えだ。

「日本人材ニュース」Vol.260(5月26日)から一部抜粋して転載
※記事の内容は掲載時点のものです。

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