いただきます!

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愛知県碧南市を中心とした西三河地方のご当地ラーメン「キリンラーメン」。昔ながらの素朴で優しい味や昭和レトロなパッケージが特徴だ。以前は知る人ぞ知る存在だったが、最近はメディアに取り上げられることも増え、全国的な知名度もじわじわアップしている。

これまでに「ペンギンラーメン」や「カピバララーメン」といった姉妹品を販売してきたが、5月15日発売の新作は、シリーズとしては初となる即席“そば”。その名もずばり、「わんこそば」。パッケージには、わんこ(犬)のイラストが描かれている。

とりあえず、どんな味か食べてみることに。

やや色黒の細めの麺は、ちょっとぼそぼそした素朴な食感。そばつゆはやや甘めで、かつおだしの旨味がよく効いている。塩気が控えめで、家庭的なやさしい味わいにほっとする。今回はねぎと海苔を加えて食べたが、かつお節やとろろを加えるのもおすすめだそう。

一杯で十分な満足感があったが、ご存じのとおり、本来わんこそばとは岩手県の花巻や盛岡に伝わるそばの1つ。小さなお椀にそばを入れ、客が満腹になってフタを閉めるまで、何度もおかわりして食べ続けるというスタイルが基本だ。なぜ、一杯なのにわんこそば? それとも、この“わんこ”って単純に犬のこと……?

商品を製造している小笠原製粉株式会社の担当者に話を聞くと、
「岩手のわんこそばのように、この製品もご家庭や仲間と一緒に、楽しく、にぎやかにそばを食べてほしい、またお一人でも知人と話題にして盛り上がってほしい、という思いからネーミングしました」とのこと。

あえて“わんこ”と犬をかけた理由は?
「これまでにもキリンラーメンから派生した商品として、ペンギンラーメンやカピバララーメンといった動物シリーズを発売しておりますが、食品とは思えないレトロで可愛いパッケージやキャラクターが、お陰様であらゆる世代からご好評いただいております。今回の製品もたくさんの方に愛される商品でありたいと、犬(わんこ)を起用しました。作りこんだものではなく、良い形の抜けた感じや親しみやすさを重視して、可愛すぎず、かつシンプルに仕上げました。“くすっ”と微笑んでもらえる商品になれば嬉しいですね」

開発にあたってこだわったのは、そば粉を「国産」にすることと、手軽に食べられるよう「即席そば」にすること。同社では平成7 年に「キリンラーメン」の生産を一時中止した際、地元の人たちの熱い要望で復活を遂げたことをきっかけに、恩返しの意味も込めて、原材料の大半を地元の農作物に切り替えた。
「そばについては地元農業の休耕田対策の一つになればと、地元生産者と10年ほど前から契約栽培を行っておりました。これまでは年越しそばがメインでしたが、品質・収量も安定してきたためオールシーズンの即席そばの発売に踏み切りました」

ちなみにシリーズの他製品同様、本製品の麺(そば)とお好みのソースを使用し、焼きそばを作っても美味しいそう。商品は、小笠原製粉の小笠原製粉のオンラインショップや雑貨店・お土産売り場等で購入できる。

パッケージに「家庭用そば」とあるように、家族みんなで食べたくなるような素朴な味わいが魅力。ぜひ一度試してみては?
(古屋江美子)