帝国データバンクの新規株式上場意向に関するアンケート調査によると、株式の上場によって優秀な人材の確保を目指す企業が増加していることが分かった。

 同社が新規株式上場(IPO)の意向が確認できた企業359社を対象に、IPOの目的(複数回答)を聞いたところ、「知名度や信用度の向上」(260社、72.4%)がトップ。次いで、「優秀な人材の確保」(238社、66.3%)、「資金調達力の向上」(189社、52.6%)と続いた。

 昨年の調査に比べ「知名度や信用度の向上」が2.3ポイント減となったのに対し、「優秀な人材の確保」が14.9ポイント増と大きく伸びたことから、同社は「業績改善を背景に大手企業の雇用拡大意欲が高まっているが、知名度の点で大手企業に劣る企業は、IPO により優秀な人材を確保しようとする狙いがあるといえそうだ」と分析している。

 IPOを検討する際に特に強化すべきと考える点(複数回答)では、「コンプライアンス、内部監査体制の充実」(202社、56.3%)、「幹部人材の育成」(167社、46.5%)、「IPO準備チームの編成」(167社、46.5%)が上位となり、各分野の専門人材の確保を必要とする企業が増えそうだ。

 IPOの予定時期では、「未定」と回答した企業が132社と最も多かったが、2019年までの今後5年以内にIPOを予定している企業が152社(最多は2017年の44社)と全体の4割となっている。

 IPO意向のある359社の属性を見ると、業種では「サービス業」(185社、51.5%)が多い。特に「情報サービス業」が前年から4.1ポイント増の25.9%となり、359社全体の4分の1を占めている。本社所在地域では、「関東」(194社、54.0%)が過半数となり、そのうち「東京都」(161社、44.8%)となった。

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