致死性の高いH5N1型鳥インフルエンザのヒト−ヒト間感染が発生し、世界中で大流行した場合、全世界で6200万人以上が死亡し、うち96%が世界の最貧国での犠牲者で占められるとの予測が、ハーバード大学の調査チームによって示された。

  クリストファー・マレイ教授らのチームによるもので、これは1918年のスペイン風邪の世界的流行の際の死亡率を、2004年の世界人口に適用して想定したもの。現時点では、報告されている鳥インフルエンザ感染症例は258人(うち死者154人)で、マレイ氏らの数字とは大きくかけ離れているように思える。

  しかし最貧国はこうした世界的な流行病に対処する資金、資源、人材がもともと不足しているうえ、エイズなど他の病の流行や戦乱、飢饉などで流感の対策にまで手が回らない状況で、H5N1型鳥インフルエンザが流行した場合、国内での蔓延に歯止めがかからなくなるだけでなく、国外への拡大のおそれも大きくなる。こうした未来を避けるために、いっそう各国の協力のもとでの取り組みが重要となってくる。 【了】

■オリジナル記事:62 million could die from a global flu pandemic

■ブログ: フルー・パトロール(Flu Patrol)(2006年12月22日付)より

■筆者: グレイス・アイベイ(Grace Ibay)氏:

  フルー・パトロールは、米国での流行性感冒への認識を高めるために開設されたブログ。世界中で読まれ、鳥インフルエンザ流行に関する最新のニュースや情報が広がることが目標としている。専門家や伝染病学者が関連ニュースを議論するウェブサイトへのリンクも張っている。

*このブログで書かれている内容については、筆者個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解や意向を示すものではなく、ライブドアにより承認されたものではありません。また、このブログの筆者はライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

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