今週初め、交通事故死した6人の子どもの写真がインターネットのホームペー ジ(HP)上に大量に掲載されていた問題を巡り、遺族らがHPを制作した東京あきる野市の小学校教諭(33)を侮辱容疑で警視庁に告訴、さらに別の子どもの遺体、裸の写真を載せていたことについて「児童買春・ポルノ禁止法」違反容疑での告発も行った。

 この問題は連日、テレビ・新聞等で大きく取り上げられているので、かなりの人が詳細を承知していると思う。非難され、訴えられたウェブサイトは「くらぶキッズ」と呼ばれるもので、現在は閉鎖されているが、これまでの報道等によれば子どもの体操着姿、水着姿などいくつものニュースサイトに分けられ、その中にある事故死した子どものサイト上では、多数の遺体写真とともに「『グシャッ!』と潰されて死んでしまいました」などの侮辱的な言葉が書き連ねてあった。私もコメントを(テレビ画面上で)数多く読んだわけではないが、本当に読むに耐えないヒドイ言葉が多数あったようだ。

 筆者は今回の私的解説の中で、この小学教師の行動を非難する、あるいは懲罰するべきだと述べるだけで原稿を終わらせるつもりはない。本当に、心からおぞましい、非難されるべき行為、人として絶対にやってはいけない犯罪行為だとは思うが、コトがコトだけにその社会的影響に比して微罪で終わってしまう可能性があるからだ。また、いつものようにマスコミが1人だけ悪人を仕立て上げて、終わってしまう可能性も十分にある。

 私がこの稿で強く訴えたいことは、むしろこのWという小学校教諭につらなる、多数の幼児性愛者のことだ。私も人並みに助平な人間であり、大人の女性との恋愛に狂奔(ほん)した経歴は持っている。しかし、この幼児性愛というものだけは、人間として絶対に許し難い行為だと思っている。

 本件に関連してPJニュースにもいくつかの意見が掲載されているが、PJの小林亮一氏が語っているように、「異常な性癖を持っていたとしても、その人の行動や言動が道徳的にあるいは法的に間違ったものでない限りは、非難されるべきではない」というのは、確かにその通りだろう。問題の本質が「性」という根源的なテーマに関わるだけに、その取り扱いに細心の注意を払うべきことは論をまたない。

 しかし、私もこうした分野に多少詳しい(?)者として、幼児性愛者が一般の人たちの想像をはるかに超えて世に存在していることを、強く警告しておきたい。この分野に関わる雑誌、写真集・DVD、そしてネットにおけるサイトは、その数が圧倒的なことに皆さんは驚くハズだ。

 コトは表現の自由などというお題目を超えて、多くの犯罪者予備軍を形づくっている。とにかく、日本は甘過ぎるのである。

 先に述べた「児童買春・児童ポルノ処罰法」(1999年法律第52号)では、児童ポルノの分野において、その販売目的所持や販売、広く公衆の目に触れさせる行為を禁じている(単純所持は一部の条例をのぞいて処罰されない)。事故被害者の親御さんたちが「くらぶキッズ」のサイト上で「裸に近い幼児写真を掲載した」として告発したのは、この法律に基づく処罰が十分に可能と判断したためだろう。

 事態が表現の自由に関わる分野だからといって、その運用に慎重になるのは、この法律に限っては大いなる禍根を残すだろうとの思いを強く持つ。野放しになっている児童ポルノによって、社会的非難を受けることのない、隠れた幼児性愛者が次々に生まれている気もするのである。とにかく、事態の深刻さを私たちは自覚すべきだ。

 児童ポルノは無条件に禁止・回収されるべきである。アニメの類については慎重な見方が必要なことは分かる。しかし、社会的な制裁・非難のないところで、この種のマニアが伸長している実態は、多くの現実を知らない父兄を震撼(しんかん)させるのに十分なハズだ。とにかく、私たちはこれ以上子どもたちを犯罪の犠牲者にしてはいけない。大人は、子どもを守る気概と決意を、今すぐ自覚すべきである。【了】