【ファンキー通信】髪の毛で醤油ができる!? 密造される毛髪醤油

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 どの家庭にも必ずあると言っても過言ではないほど、日本の食卓で愛される調味料、醤油。この醤油、大豆が原料であることは皆さんご存じですよね。ところがなんと、人間の髪の毛でも醤油が作れるって知ってました!?

 髪の毛から醤油・・・なんだか結びつきがなさそうな気がしますが、毛髪のほとんどを占める成分がアミノ酸であり、醤油の原料にもアミノ酸が含まれるということがわかれば、毛髪から醤油ができるって、なんとなく理解できません? そのレシピは、髪を切ったときにでる毛くずを100%の塩酸の中に入れて24時間ほど煮沸した後にろかし、苛性ソーダで中和させたら出来上がり!とのこと。

 さてこの、毛髪醤油。ガンを誘発する物質が含まれているという理由から、中国政府により生産禁止命令が出されています。しかしそれにも関わらず、今も全国各地で密造されているというのです。それはなぜでしょう? ・・・答えは簡単、「コスト」の問題なのです。

 日本の食卓に並んでいる醤油のほとんどは本醸造方式という製造法で作られています。その主な原料である大豆と小麦からアミノ酸を抽出し、発酵・熟成という段階を経て「醤油」となるのです。毛髪醤油は原料の「髪の毛」を使っている、という点が違うだけでほかの製法は普通の醤油となんら変わりはなく、しかも切り落としていらなくなった毛くずを使っているわけですから、大豆や小麦を使うよりコストが抑えられることは一目瞭然ですよね。そこで「低コストで醤油が作れる」ことに目をつけた中国の悪徳業者が密造し、普通の醤油の3分の1の卸値で、今なお生産を続けているということなのです。

 となると「毛髪醤油」が日本に輸入されている可能性もあるのでは!? そこで、世界の醤油事情に詳しい関係者に問い合わせてみたところ「ちょっと前にインドから輸入されたという情報がネット上で流れましたが、信憑性は薄いですね〜。万が一毛髪醤油が日本に入ってきたとしても、発見された時点で法律違反になりますよ」とのこと。

 現在、日本では「醤油には植物性たんぱく質しか使ってはいけない」という決まりがJAS法(日本農林規格)で定められており、毛髪以外のものでも法に反する原料はNGとなっているそう。日本で毛髪醤油に出会う(?)可能性はほぼないと思いますが、あまりにも安いお値段のものは、JASマークがあるかないかを基準に、チェックしてみてはいかかでしょうか?(坂井あやの/verb)