東日本旅客鉄道<9020>は4日、同社がサービスを提供する多機能ICカード「Suica」(スイカ)の新たな機能・方針展開を発表した。JRでは、交通の決済手段として出発したカードを、居住空間や日常生活のなかで多様に応用して用途を拡大させることで、スイカの浸透性を図っている。

  今回発表された目玉は、スイカをマンションのカギなどとして使えるセキュリティシステムで、日立製作所<6501>が開発したシステムによって、スイカを集合玄関や各住戸玄関での入館管理や施錠・解錠などに使えるもの。10月下旬から販売が開始される分譲マンション「びゅうパルク湘南本鵠沼」(神奈川県藤沢市)に、初めて導入される。

  また、スイカ利用可能エリア内の電器販売大手ビックカメラ17店舗で、12日からスイカによる決済が可能となり、ビックカメラのポイントカードの機能を付加した提携カードが来年3月をめどに発行されることが明らかになったほか、26日からは山手線内および京浜東北線・中央線・総武線沿線のファミリーレストランチェーン大手ジョナサンの83店舗で、スイカ決済が可能となるという。

  さらに、三井住友フィナンシャルグループ<8316>傘下の三井住友銀行、三井住友カードとの間では、同行のキャッシュカードとスイカの一体型カードにクレジット機能を付加した多機能カードを、2007年1月をめどに発行する予定だ。ICカードの多機能性を駆使し、さまざまな利用法を取り込み、利便性の向上につなげている。 【了】