北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表の横田滋さんは10日、参院拉致問題特別委員会の参考人質疑に出席し、北朝鮮に対する経済制裁について「経済制裁で受けるマイナスと比べると、拉致被害者を返して、経済制裁を解除して欲しいという意見が北朝鮮から出てくると思う。1日も早い経済制裁の発動をお願いしたい」と述べた。

 その上で、横田さんは政府に対し、拉致問題について常時対策がとれる対策本部の設置と、北朝鮮側の異変に備えた拉致被害者の居場所などの情報収集を求めた。

 同委員会には、横田早紀江さんと特定失踪(しっそう)者調査会の荒木和博代表も出席。横田早紀江さんは「小泉総理の考えていることが、わたしたちには理解ができない。『対話と圧力』というなら、日本の私たちともしっかりと対話して欲しい」と政府の対応を批判。

 荒木氏も「この国の中で拉致被害者を探すことに責任を持っている機関は存在しない。帰国できない現状にも誰も責任を取らない」と問いただし、「郵政民営化にかける情熱の10分の1だけでもかけてもらえば、日本の国力からして拉致問題は簡単に解決すると思う」と北朝鮮に対する経済制裁の発動を求めた。

 同委員会で岡田直樹議員(自民)と広野ただし議員(民主)の質問に答えたもの。【了】